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観潮
「観潮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
観潮の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
く鴎外漁史なぞはあの通り休息することを知らないような人だから、当時その書斎とする
観潮楼の窓から、文学の推し移りなどを心静かに、注意深くも眺めておられたかと思う。....
「鴎外・漱石・藤村など」より 著者:宮本百合子
らというばかりでなく、自分を低く小さい者に感じながら少し道をよけたものであった。
観潮楼から斜かいにその頃は至って狭く急であった団子坂をよこぎって杉林と交番のある....
「「下じき」の問題」より 著者:宮本百合子
雑草の繁殖力があらわれた。ひとの背たけの倍ほどもある鬼蓼が昔、森鴎外の住んでいた
観潮楼のやけあとにも生えた。 一九四六年一月から、日本の現代文学は、平和に向っ....
「田端の汽車そのほか」より 著者:宮本百合子
みているのであった。 鴎外が、そういう見晴らしに向って立っていた自分の二階を、
観潮楼と名づけた由来も肯ける。没後、そちらの門から出入りする部分には誰かが住んで....
「菊人形」より 著者:宮本百合子
住んでいた漱石の作品のどこかに菊見があったし、団子坂のすぐ上に住んでいた森鴎外の
観潮楼へは、菊人形の楽隊の音が響いたにちがいない。 幼いわたしにとって菊人形は....
「森先生」より 著者:芥川竜之介
或夏の夜、まだ文科大学の学生なりしが、友人山宮允君と、
観潮楼へ参りし事あり。森先生は白きシャツに白き兵士の袴をつけられしと記憶す。膝の....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
に乗せて食べられたと聞きましたが、その頃のことは私は知りません。 明治四十年頃
観潮楼歌会といわれるのをなすった頃、その御馳走をレクラム料理といいました。会の度....
「夏の町」より 著者:永井荷風
の出語《でがたり》がある妾宅の場を見るような三味線的情調に酔う事がしばしばある。
観潮楼《かんちょうろう》の先生もかつて『染めちがえ』と題する短篇小説に、西鶴のよ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
彳《たたず》むと市中の屋根を越して遥に海が見えるとやら、然るが故に先生はこの楼を
観潮楼《かんちょうろう》と名付けられたのだと私は聞伝えている。団子坂をば汐見坂と....