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覿
「覿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
い前兆であるらしく都の人びとをおびやかした。 そのなかでも盗賊の多いというのが
覿面《てきめん》におそろしいので、この頃は都大路《みやこおおじ》にも宵から往来が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
津の国屋が潰れるような大騒動が出来するに相違ない。死霊の祟りよりもこの祟りの方が
覿面に怖く思われて、文字春はまた蒼くなった。 しかし彼女はまだ一途にお角の話を....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
の父を打って松江表を立ち退き、その後諸国にて身上を稼ぎ申したが、人を殺した報いは
覿面じゃ。いずこにても有付く方なく、是非なく出家いたしたのじゃ。ここで御身に巡り....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て、どうにか食って行かれる見込みのついた処で、女房を持ったんですがね。いや、罰は
覿面だ。境内へ多時かかっていた、見世物師と密通いて、有金を攫って遁げたんです。し....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
は、魔がさして、怪しいことがあると言うが、まったくそれは魔がさしたんだ。だって、
覿面に綺麗な鬼になったじゃあないか。……どうせそうよ、……私は鬼よ。――でも人に....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
は、快いリズムに乗って、静かに滑り続ける。 やがて一時間もすると、無電の効果が
覿面に現れた。最初右舷の遥か前方に、黒い小さな船影がポツンと現れたかと思うと、見....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
から私の井戸の水を貰いに来た。この井戸は水の質も良く、水の量も比較的に多いので、
覿面に苦しむほどのことはなかったが、一日のうちで二時間ないし三時間は汲めないよう....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
ンカチでおさえて、そして医者を呼べ」 「あらまあ、オギンさん、怪我をしたの。天罰
覿面よ」 「こら、なにをいっとるか。早くハンカチで結えてやれ、それからこの壊れ物....
「発明小僧」より 著者:海野十三
云うことをきかないので、本発明方式を提供した次第である。これを採用するときは天罰
覿面、乗客は反省するであろう。 (本発明方式は、一電気局又は一電鉄会社一乗合自動....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
はいかなる病気に罹りけん、盲目となりたりしを見てこれ等の内情を知れる人々は、因果
覿面、好き気味なりと竊に語り合いしという。 またその反対の例を記せば、彼の生麦....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
柳町の女房は――前申したごとくで、これをお夏さんの生命を縮める鬼のように思った。
覿面、その剃刀で殺ったですでな。たとい人違いにもしろでがす。」 繰返して重ねて....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ころ) おかしな口調です――(術を施すのところ)老婆はたちまち見て取った。絵も
覿面だから解りました。が、その(ようゆう)が分りません、かなで書いただけで、それ....
「郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
から私の井戸の水を貰いに来た。この井戸は水の質も良く、水の量も比較的に多いので、
覿面に苦しむほどのことはなかったが、一日のうちで二時間|乃至三時間は汲めないよう....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
界のもののように考えているのかもしれないが、みたまえ! そんな愚かな考えの者は、
覿面に世の中から手ひどいしっぺ返しを喰うに極っているから」 「いや僕もけっしてそ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
てそれが三つの条件に嵌っていたかどうか、あとで随分危ぶまれるのであります。中には
覿面その狂いが酬って来て、今さら後悔の臍を噛むようなことが沢山あります。三条件が....