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角す
「角す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
行なわれていたのだ。 その時であった! わが日本帝国の富《とみ》が世界列強と互
角するようになったのは! その時であった! 日本が富んだのは。その時であった、....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
於ては戦を始むるの外思案に及ばずとありけるを聞て、遠藤喜右衛門然るべく覚え候。兎
角する内に、横山の城中の者も後詰なきを恨み降参して敵へ加はるまじきにもあらず、信....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
には高山右近も居る事だし、某一人引退くわけにゆかない、と答えて退こうとしない。兎
角するうちに盛政の軍は鬨の声を挙げて押し寄せた。瀬兵衛もとより武功の士だから、僅....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
、喜びにも悲みにも其心の動く度我顔色を悟られまじとて煙草を嚊ぐに紛らせるなり、兎
角するうちに馬車は早やクリチーの坂を登り其外なる大通を横に切りてレクルース街に入....
「惨事のあと」より 著者:素木しづ
た荒れた道である。 楯井さんは、此の知らせを受けて、妻と三人の子供を残して兎に
角すぐに出かけた。彼は、非常に驚いたけれども、なんとなく信ずることが出来なかった....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
対する作戦上の要求に多少の無理があったろうというような想像も出来るわけだが、とに
角すでに服役中の同型艇三隻は早速改造されねばならず、第二次補充計画にぞくする未建....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
。彼女は東京のような大都会のどの辺を乗って行くのか、何処へ向って行くのか、その方
角すらも全く分らなかった。唯、幌の覗き穴を通して、お玉を乗せた俥の先に動いて行く....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
島「風暑い」 と申します。さては南の方へ往くのかと少しは安心いたしましたが、兎
角する内に東の方が糸を引いたように明るくなりました。 文「はゝア、東は彼方の方....
「敬語論」より 著者:坂口安吾
という。百姓じゃ軽蔑しているようだし、農夫というと学問の書籍の中の言葉みたいで四
角すぎるし、当らず障らず、軽蔑の意をおぎなう意味においてオの字を上へつける。オ百....
「申訳」より 著者:永井荷風
はやっぱり江戸文学の考証でもしている方が君らしくっていいよ。」と冷笑した。 兎
角する中議論はさて措き、如何に痩我慢の強い我輩も悠然としてカッフェーのテーブルに....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
す。その俗謡はなかなか面白いから二つ三つ訳しましょう。
果てなき原の草の上、巌
角するどき険崖の際、鉄の蹄の馬立てて、討手に進む我が心
弾丸ちる霰の中とても、雪....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
を引っ手繰なさるが好い。
たんとお楽なさって、跡腹の病めないようになさい。
兎に
角すばしこく手をお出なさい。ぼんやりしていないで。
ファウスト
いや。先....
「ちょうと怒濤」より 著者:小川未明
して、終日、その花の上に止まっていました。もとの野原へ帰ろうと思っても、いまは方
角すらわからないばかりか、遠くて、傷ついた身には、それすらできないことでありまし....
「海ぼたる」より 著者:小川未明
いもんだ。」と、彼女は思いました。 しかし、道は、遠く、ひとり歩いたのでは、方
角すらも、よくわからないのであります。彼女はただわずかに、川に添うて歩いてきたこ....
「春になる前夜」より 著者:小川未明
下の世界を照らしましたけれど、その光を頼りに歩いてゆくには、あたりが真っ白で、方
角すらわからなかったのであります。 「おじいさんは、あんなに疲れていなさる。」と....