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角兵衛
「角兵衛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角兵衛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
降りるようになると、秋が近い。秋が近づくと、江戸の町に景物が決まって二つふえる。
角兵衛獅子《かくべえじし》に柳原お馬場の朝げいこ、その二つです。 トウトウトウ....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
そのうちで最も猛烈に彼の攻撃を受けたのは、本所辺から来る十歳《とお》ばかりになる
角兵衛獅子《かくべえじし》の子であった。この子はいつでも「今日《こんち》は御祝い....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
ず苦笑いをすると向うでも苦笑いをする。これは理の当然だ。それから公園へでも行くと
角兵衛獅子に網を被《かぶ》せたような女がぞろぞろ歩行《ある》いている。その中には....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
弥兵衛は別な人で、これは薬罐平さんのようには行きません。それに、親分よりも子分の
角兵衛というのが幅を利かして……。本名は角蔵とか角次郎とかいうのでしょうが、ここ....
「最後の胡弓弾き」より 著者:新美南吉
はや》らなくなった。五、六年前までは、遠い越後《えちご》の山の中から来るという、
角兵衛獅子《かくべえじし》の姿も、麦の芽が一寸|位《くらい》になった頃、ちらほら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
音が起ったので、その腰を折られました。 麓から登って来るのは、越後の国から出た
角兵衛獅子の一行であります。その親方が、てれんてんつくの太鼓を拍《う》ち、その後....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
るのが、何となく、ものの可哀が身に染みた。 その爺さんがね、見ると……その時、
角兵衛という風で、頭を動かす……坐睡りか、と思うと悶いたんだ。仰向けに反って、両....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
、へゝゝゝ彼のテレツク/\なんぞは悉皆覚えましたが、重次郎さんの扮装てえのは恰で
角兵衛獅子でございますね、白の着物に赤い袴で萌黄色のきれの附いている物を頭部に冠....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
火と共に一散に走る。 杖に笠の伊勢詣りたくさん。 気の抜けたぬけ参りの戻り。
角兵衛獅子の一隊テレンテンツク。 盤台を天秤《てんびん》にして勢いよく河岸へ走....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
る石橋の所、妻恋村へ出ようとする角に葭簀張が有って、其の頃は流行ました麦藁細工で
角兵衛獅子を拵え、又竹に指た柿などが弁慶に※に捻鉄松風に狸の糞などという駄菓子が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しょう……と、お湯の中でお雪に話しました。この婆さんの考えでは、多分、越後の国の
角兵衛獅子が、国への戻りに舞い込んだものとでも思ったのでしょう。翌日は早速、人を....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
節、芸のない奴は逆立をする。お鉢叩きに椀廻し、いよいよ窮すると相撲を取る。越後の
角兵衛逆蜻蛉、権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる、オヤほんとにどうしたね、お前待ち待ち....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
るよう、志して何処へ行く。早その太鼓を打留めて、急足に近づいた。いずれも子獅子の
角兵衛大小。小さい方は八ツばかり、上は十三―四と見えたが、すぐに久能谷の出口を突....
「蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
ない。物に驚いて、逸走の動作に移るとき、からだをそのまま、トンボ返りというのか、
角兵衛の翻筋斗というのか、情勢に支配されないでうしろへくるりとまわり、勢い込めて....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
のあと、「箱根関所」の茶番。これは巴家寅子、丸一小仙の役人、海老蔵の墨染、小亀の
角兵衛獅子という贅沢な顔づけがわけもなくありがたかった。「親父が作兵衛、子供が角....