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角封筒
「角封筒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角封筒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
りこけた。 ふと眼をさますと、部屋は、まっくら。頭をもたげると枕もとに、真白い
角封筒が一通きちんと置かれてあった。なぜかしら、どきッとした。光るほどに純白の封....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
奥へ認印をとりに行った。 「旦那」郵吉は、大きい鞄の中から、出しにくそうに、白い
角封筒を取り出した。「海軍省からの、でございますよ」 「なに、海軍省から!」 ....
「地中魔」より 著者:海野十三
が来ている」 総監は桐函の蓋をとって捜査課長の前に押しやった。その中には一通の
角封筒と、その中から引出したらしい用箋とが入っていた。 「うーむ」と課長は函を覗....
「きりぎりす」より 著者:太宰治
下へ呼び出して、どうぞ、よろしく、ときまったように真面目に言ってお辞儀をし、白い
角封筒を、私の帯の間につっ込んで下さるのでした。あなたは、いつでも知らん顔をして....
「春の枯葉」より 著者:太宰治
お金を持って来たのよ。 (野中) お金を? (菊代) そうよ。(帯の間から、白い
角封筒を出し、歩いて野中教師の傍に寄り)先生、黙って、ね、何もおっしゃらずに、黙....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
どこへしまったかなあ」 黒川は、ポケットをさがしまわっていたが、やがてまっ白い
角封筒を、ズボンのポケットからつまみだした。 「ああ、あったよ。これだ、この封筒....
「死因の疑問」より 著者:豊島与志雄
しは、黙ってあとを待ちました。清さんはちらとわたくしの顔を仰ぎ見て、懐から真白な
角封筒を取り出しました。 「奥さま、杉山さまがさきほど、これをわたくしに無理やり....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
「じゃ、お礼を受けとって下さるでしょう。」と云って準之助氏は、自分用らしい白い
角封筒を新子の前にさし出した。 新子は、それを断るには、たいへんな努力が要ると....
「魔都」より 著者:久生十蘭
引出されたものは、赤い封蝋で物々しく五カ所に封印された、一目で公文書と判る大きな
角封筒だった。
総監はそれを手に持って真名古の方に近寄って来ると、
「真名古君....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
見ていなさい」 満寿子さんがふりかえったとたん、武徳会師範は備付けのゲエ用の三
角封筒《アンヴェロープ》に顔をうずめてゲエゲエやりだした。 そこであたしが大き....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
。ヤロスラフ少年は机のそばまで歩いて行き、そこの床のうえに落ちていた、白い大きな
角封筒をとり上げて、無言のままで、竜太郎のほうへ差し出した。 竜太郎は、懐しい....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
…さっきの手紙よりも委曲《いきょく》をつくしているつもりよ」 枕の下から一通の
角封筒をとりだすと、それを頭の上に振って見せた。 「ほら、ほら、これが、そうなの....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
なさってよろしいのです。……この紙挾みのほうは、支払いの明細書と受領証、こちらの
角封筒の中には、預金帳と、有価証券及び公債《こうさい》証書の目録が入っております....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
え、特種階級も大分生活が苦しいと見えて、藤原侯が家宝売り立てをやるそうだ」と白い
角封筒を渡した。 次長は中味を引き出すと低い声で、 「拝啓、菊花の候益々御多祥....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
ますと、ふと帯の間に挟んだ白いものが目につきました。何気なく引き出すとそれは白の
角封筒にかかれた妻宛の一通の手紙でした。差出人の名はありませんが明かに男の手蹟で....