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角屋敷
「角屋敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角屋敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
通《おがわどお》りを下《くだ》って来ると、ふと辻を一つ曲《まが》った所に、大きい
角屋敷《かどやしき》のあるのを見つけました。これは京でも名を知られた、北条屋弥三....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
て冷淡に受ける。これではならぬと鼻子は、「実は私はつい御近所で――あの向う横丁の
角屋敷《かどやしき》なんですが」「あの大きな西洋館の倉のあるうちですか、道理であ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
まらねえや。
と、急ぐでもなく歩いていたが、ふと、行く手に、黒い塀をめぐらした
角屋敷を見つけると、
――おッ! そういううちに、とうとうやって来てしまやがっ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
打に手をかけて、 「つかんことを聞くがね、お前さんは何じゃないかい、この、其処の
角屋敷の内の人じゃないかい。」 親仁はのそりと向直って、皺だらけの顔に一杯の日....
「中条精一郎の「家信抄」まえがきおよび註」より 著者:宮本百合子
カの古本を買って暗記する位であった由。この知識が偶然の功を奏して、当時富士見町の
角屋敷に官職を辞していた老父のところへ、洋行がえりの同県人と称して来て五十円騙っ....
「南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
お袖は山刀を持ってせっせと樒の根をまわしていた。其処は深川法乗院門前で俗に三
角屋敷と云う処であった。お袖は直助といて線香を売っているところであった。 淡い....
「山の手の子」より 著者:水上滝太郎
のであった。 山の手の高台もやがて尽きようというだらだら坂をちょうど登りきった
角屋敷の黒門の中に生まれた私は、幼《いとけな》き日の自分をその黒門と切り離して想....
「じいさんばあさん」より 著者:森鴎外
の邸は水道橋外で、今|白山から来る電車が、お茶の水を降りて来る電車と行き逢う辺の
角屋敷になっていた。しかし伊織は番町に住んでいたので、上役とは詰所で落ち合うのみ....
「シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
抜の通、礼拝堂通《チャペルストリート》から礼拝堂小路《チャペルレイン》へかけての
角屋敷で、以前にサー・ヒュー・クロプトンといってロンドン市長を勤めたことのある人....
「魔像」より 著者:林不忘
二 九段の中坂《なかざか》近く。 堀留の横町からもちの木坂へ差し掛る
角屋敷は、西丸御書院番、二千石の知行《ちぎょう》をとるお旗本、大迫玄蕃の住居であ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
。虱つぶしにして行ったら、二刻足らずで追いつめることが出来よう」 両国二丁目の
角屋敷《かどやしき》。 鈴木仁平という浪人者がやっている大弓場《だいきゅうば》....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
《つるやなんぼく》の墓を掃《はら》ったことや、そこから程遠からぬ油堀の下流に、三
角屋敷の址《あと》を尋ね歩いたことも、思えば十余年のむかしとなった。(三
角屋敷は....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
りもなく吹き飛んで、鼻の先に水洟が凍りつく。 「あの腕木門か」 「いや、その隣の
角屋敷」 「ふム……宏壮なものだな」 「出世したものさ。三十歳前後の頃には、まだ....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
し、これでやっと香水の謎は解けましたが――。 軈て十分間も歩いたと思うと、ある
角屋敷の立派な門構の家へ入って行きました。出迎えの女中の態度で、この家の奥様であ....