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角書
「角書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角書の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光と風と夢」より 著者:中島敦
了ったのではないか。それが記念碑として優れたものか、どうかは別として、私は、兎に
角書けるだけのものを書きつくしたのではないか。無理に、――この執拗《しつよう》な....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
が弗《ふっ》と途切れた。此暇《このひま》を遊《あす》んで暮すは勿体ない。私は兎に
角書いて見よう。 実は、極く内々《ないない》の話だが、今でこそ私は腰弁当と人の....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
乗的解析でしかないから、こんなものを編集局へさし出すわけには行かない。 彼は折
角書いた原稿用紙を鷲づかみにすると、べりべりと破いて、机の下の屑籠のなかにポイと....
「雲母片」より 著者:宮本百合子
引いた。 ひどく力を入れた上に、墨がつきすぎていたので、見る間に紙ににじみ、折
角書いたところは、一面真黒な墨のぬかるみになってしまった。――部屋にさす日の光は....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
大いに進んでとうとうこれを通し狂言で本郷座の檜舞台にかけるということになった、折
角書きかけた佐藤紅緑氏の脚本は保留ということなのだ。そこで、二十四五歳の貧乏書生....
「中里介山の『大菩薩峠』」より 著者:三田村鳶魚
のは、わけが分らない。これは剣術の流名や何かを、いい加減に拵えるのとは違って、折
角書いている小説を、わざわざ嘘らしくしてしまうようなものだ。 四二頁に「呼吸の....
「小坂部伝説」より 著者:岡本綺堂
たしも渥美さんに教えられて、初代並木五瓶作の「袖簿播州廻」をくりかえして読んだ。
角書にも姫館妖怪、古佐壁忠臣と書いてあるのをみても、かの小坂部を主題としているこ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
どうだか疑わしいのです。
現在しているものは、人を誇張に誘い易い。
わたしは兎に
角書いたものに縋る。読んで見ると、
こうあります。実際あの女は殊にトロヤの髯の
....
「自来也の話」より 著者:岡本綺堂
考えた末に、かの鬼武の「自来也物語」から思いついて、蝦蟇の妖術、大蛇の怪異という
角書をつけて「児雷也豪傑|譚」という草双紙を芝神明前の和泉屋から出すと、これが果....