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角樽
「角樽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角樽の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
ろめをしたのだったが、その日は二日ともマダムの常子も様子を見に来て、自分は自分で
角樽などを祝った。湯島時代に彼女は店の用事にかこつけ、二日ばかり帰らぬ松島を迎え....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
すがた》を見せて下りて行った。
五
雪之丞が八幡宮鳥居前に待たせてあった、
角樽《つのだる》を担《かつ》がせた供の男に案内させて、これから急ごうとするのは、....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
んであって、真白な塩がパイスケに山盛りになって、二ツ三ツの酒樽《さかだる》と横に
角樽《つのだる》が飾ってある店だ。赤ら顔の頭の禿《は》げた滝床は、大通りの大店を....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
める人もあり、中には悪くいう人もあるが、何しろ考えがうまいねえ」 多「あんたも折
角樽を買ってお歩きなさい」 久「たがねえ多助さん、こうやって刺子の筒袖を着、膝の....
「魔都」より 著者:久生十蘭
るし、鶴子だけが有明荘に残っていることも知っているし、わちきたちがお馬へ年越しの
角樽を付け届けしたことも知ってるし、……いずれにせよ、鶴子を殺るなら、三十一日の....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
裏の縁をまわってこっちの部屋へやってきたのは例のひょろりの松五郎。 二升入りの
角樽《つのだる》を投げだすように坊主畳の上へおくと、首すじの汗をぬぐいながら、 ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
げでいまはいい顔になっている神田の御用聞、ひょろりの松五郎。 二升入りの大きな
角樽《つのだる》をさげニヤニヤ笑いをしながらあがって来て、 「へへへ、案の定《じ....
「金狼」より 著者:久生十蘭
を相続して、このごろはだいぶ羽ぶりをきかして遊んでるという噂なんです。本来なら、
角樽《つのだる》の一挺もさげて、まっさきにお礼にやってこなくちゃならねえところな....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
怪訝そうに、じろりじろりと視る。……お悦がその姿で、……ここらでは今でも使う――
角樽の、一升入を提げていたからである。 (――時に、ここで乃聞いたのが、綺麗な扇....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
酒を運ぶにはさらに小さな瓶を用いていた。村で酒を造るには村桶があり、また贈答用の
角樽もできていたようだが、いずれも檜の板を曲げて綴じた曲げ物だから、そう大きな入....