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角石
「角石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
がえ》がここまで漂流して来た時に、余の右足《うそく》は突然|坐《すわ》りのわるい
角石《かくいし》の端《はし》を踏み損《そ》くなった。平衡《へいこう》を保つために....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ている。また、室内も北方ゴート風の玄武岩で畳み上げた積石造で、周囲は一抱えもある
角石で築き上げられ、それが、暗く粗暴な蒙昧な、いかにも重々しげなテオドリック朝あ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
もどっちも三十には少し間のある位の若者に過ぎないのだった。然し、今度の事件は兎に
角石子が主として調べ上げたのだし、彼は云わば助手の位置にいたのだから、不承々々承....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ならばいもり、すっぽんもおりましょうぞ。――ほらッ。ほらッ」 あぶない。お濠の
角石まであとがつまって、爪先立ってよろめく一番うしろから、今にも人|雪崩れ打って....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
かのように。 約束の場所である。伴大次郎と、江上佐助と有森利七と。 起誓の三
角石である。七年前に別れる時も、大次郎はこの石に腰うちかけて若い二人の友と話し込....
「道標」より 著者:宮本百合子
が乾いたらモスク※は急に喧しいところになった。電車の響、磨滅して丸いようになった
角石でしきつめられている車道の上を、頻繁に荷馬車や辻馬車が堅い車輪を鳴らし、蹄鉄....
「シナーニ書店のベンチ」より 著者:宮本百合子
薬罐から湯気が立っている。我々の眼鏡は戸をあけた時曇った。そこで、私共はハガキと
角石を包んだような小包を受けとった。事務所の粗末な郵便棚を、私共は一月に三四度見....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
の土を包んで、その傾斜が森林の中まで落ちている、草ばかりではない、小さい切石や、
角石が隠れていて、踵でも足の指でも噛まれて、傷だらけになる、信濃金梅の花は、黄色....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、前後左右の絶壁からは、岩石が瓦落瓦落となだれ落ちて、路は錐のように切截された三
角石や、刺だらけのひいらぎ石に、ふだんの山洪水が、すさまじく押し出した石滝が、乗....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
る老武士があった。編笠で顔を隠しているので何者であるかは解らなかった。 乞食は
角石を右手へ置いた。それから小石を三個だけ、その左手へタラタラと並べた。 老武....
「日記」より 著者:宮本百合子
はあるまいか。 今の自分は、目覚め、振い立とうとするのに、大きな、ドシンとした
角石に足をつながれて居るような心持だ。鎖を切ったら、その重い、光、活力のない石は....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
の貨物停車場《ギャアル・マルシャンデイズ》の構内から出て来た牛乳会社の大馬車が、
角石畳みの舗道の上を轟落轟落《がらがら》とすさまじい音を立てて駆け過ぎたあとは、....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
一 ひどい風だ。大川の流れが、闇黒《やみ》に、白く泡立っていた。 本所、一つ目の橋を渡りきった右手に、墓地のような、
角石の立ち並んだ空地が、半島状に、ほそ長く河に突き出ている。 柳が、枝を振り乱....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
い荷物を背負って居るものですからどうも身体を軽く扱うことが出来ない。ヒョッとその
角石の上に乗るとその荷の重みと共に足を踏み付けるものですから、要らない所に足を辷....
「西航日録」より 著者:井上円了
nt Causeway)に遊ぶ。その地海岸にそい、およそ一マイルほどの間、一定の
角石をもって天然の庭を築き、造化の妙を示せり。その石、あるいは五角なるあり、ある....