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角砂糖
「角砂糖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角砂糖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
いるから、ミス・メリイ・ピックフォオド。このカッフェに欠くべからざるものだから、
角砂糖。ETC. ETC.
この店にはお君さんのほかにも、もう一人年上の女給仕....
「指と指環」より 著者:佐左木俊郎
給仕女がコーヒーを運んで来た。指の間に煙草を挟んだ婦人の手は、魚のように敏捷に
角砂糖を撮《つま》んだ。そして婦人は銀のスプンで茶碗を掻《か》き廻した。婦人の手....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
来る、葡萄酒のせいもあるであろう。 芭蕉は、相変わらずニコニコしながら、一片の
角砂糖をコーヒーの中に落として、じっと見つめている。 小さな泡がまん中へかたま....
「コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
京で味わったようなコーヒーの香味はもう味わわれなかったらしい。コーヒー糖と称して
角砂糖の内にひとつまみの粉末を封入したものが一般に愛用された時代であったが往々そ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
士は、もう一つのコーヒー茶碗にコーヒーをついで、自分の椅子の方に引寄せた。そして
角砂糖を一つ入れると、がらがらと匙でかきまわして、うまそうにのんだ。 「どうぞ、....
「一九五〇年の殺人」より 著者:海野十三
りません」 「そうか、五月蠅い奴じゃ。紅茶を一ぱい飲んでからのことだ」 紅茶に
角砂糖を四つ抛りこんだのを、さも美味そうに飲み終ってから課長は調べ室の方へトコト....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
小さいコップを運んで来た。夫人はそれを物慣れた手附きで三つの大コップへ分けて入れ
角砂糖と水を入れた。禁制の月石色の液体からは運動神経を痺らす強い匂いが周囲の空気....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
がその次であった。上敷とタウェルの類、少し許りの衣裳、旧式の銀の茶匙二本、一挺の
角砂糖挟み、それに長靴二三足。彼女の勘定も前と同じように壁の上に記された。 「俺....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
たま鞄へ詰めて巴里へ出ました。』 ここでフランシス・スワン夫人は玩具にしていた
角砂糖と薔薇のサンドウィッチを口へ入れようとした。私が心配して注意した。 『小枝....
「愛よ愛」より 著者:岡本かの子
に許しを得て髪を分けたこども、一しょに洋行したこども。おとなびてコーヒーに入れる
角砂糖の数を訊いて呉れるこども。フランスからひとりで英国のわたし達に逢いに来たこ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
金切声を立てる。 「ああ、利口な奴だ、こいつは。」と料理番は言って、ポケットから
角砂糖を出して鸚鵡にやる。それから、その鳥は横木をつついて、信じられないほど口ぎ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
。例の一つをあげて見ると、数年前のこと都下の某百貨店で、七月の中元売出しを控えて
角砂糖の特価販売をした。当時
角砂糖は市価一斤二十三銭、製造会社の卸原価が二十銭で....
「博物誌」より 著者:岸田国士
が仲間にはぐれそうになっているのを引き戻している最中、その頸に、肌とシャツの間に
角砂糖が一つ、ちょうどメダルのように、糸で吊してあるのが眼についた。 「ママがこ....
「うむどん」より 著者:佐藤垢石
。 妹の方は、朝も麺包、お弁当も麺包にしたいというのだ。朝の麺包のときは紅茶に
角砂糖をいれてください。お弁当には、三盆砂糖だけでいいわ、などという。 そこで....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
のコーヒーをすすったものだ。当時には珍しいというのは、それまでコーヒーというのは
角砂糖の中に入れてある豆のこげたもののことだったからである。多分今から十七年ほど....