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角筈
「角筈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
角筈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
金井の流れのごとき、その一である。この流れは東京近郊に及んでは千駄ヶ谷、代々木、
角筈《つのはず》などの諸村の間を流れて新宿に入り四谷上水となる。また井頭池《いの....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
を得ば余《よ》の幸福何ぞこれに如《し》かん。
明治三十二年十月三十日
東京
角筈村において
内村鑑三
改版に附する序
この講演は明治二十七年、すなわ....
「芽生」より 著者:島崎藤村
っと》上京した。渋谷、新宿――あの辺を探しあぐんで、ある日は途中で雨に降られた。
角筈《つのはず》に住む水彩画家は、私と前後して信州へ入った人だが、一年ばかりで小....
「並木」より 著者:島崎藤村
、幽静《しずか》で、楽しかったろう。原はこれから家を挙げて引越して来るにしても、
角筈《つのはず》か千駄木《せんだぎ》あたりの郊外生活を夢みている。足ることを知る....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことも出来ません」と、亀吉も羽織を袖畳みにしながら云った。 内藤新宿の追分から
角筈、淀橋を経て、堀ノ内の妙法寺を横に見ながら、二人は和田へ差しかかると、路ばた....
「少女病」より 著者:田山花袋
敷町が参差として連なって、二階のガラス窓には朝日の光がきらきらと輝き渡った。左は
角筈の工場の幾棟、細い煙筒からはもう労働に取りかかった朝の煙がくろく低く靡いてい....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
小|仙寰には遠慮も会釈もあったものではない。 滝の名所はここ王子なるを初めに、
角筈の十二社、目黒の不動などを主とし、遠くは八王子、青梅などにその大なるものをた....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
の水は甚だ払底で、儀式ばかりのようなものではあるが、何にせよ、我輩らの住んでいる
角筈あたりの湯に比べると結構なものだ。 散髪もまたチョットよい気ばらしになる。....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
通へ出て、停車場へは五町に足りない。左は、田舎道で、まず近いのが十二社、堀ノ内、
角筈、目黒などへ行くのである。 見れば青物を市へ積出した荷車が絶えては続き、街....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
おいて将来有望の地と見込をつけたのは、文士村と称されていた大久保の新開地、淀橋、
角筈、千駄ヶ谷方面であったが、本郷からこの辺まで約二里半の道である。じつに行商係....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
っていますので、やがてはと直覚されるものがありました(以下略) その頃の新宿、
角筈方面は辺僻な田舎であったが、私は断然決意してそこに店を開くことにした。そして....
「回想録」より 著者:高村光太郎
出したのは矢張この人である。ロダンによってそういう事を悟ったのだろうと思う。よく
角筈のアトリエに遊びに行ったものだが、私の帰国する前に帰って来ていて父の所にも時....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
く這い高く迷いて、近き碑を包み遠き雲を掠めつ、その蒼く白き烟の末に渋谷、代々木、
角筈の森は静に眠りて、暮るるを惜む春の日も漸くその樹梢に低く懸れば、黄昏ちかき野....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
の百花園《ひゃっかえん》などへ行っても梅は大方枯れていた。向嶋のみならず、新宿、
角筈《つのはず》、池上《いけがみ》、小向井《こむかい》などにあった梅園も皆|閉《....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
第六は江戸城を取巻く幾重《いくえ》の濠《ほり》、第七は不忍池《しのばずのいけ》、
角筈十二社《つのはずじゅうにそう》の如き池である。井戸は江戸時代にあっては三宅坂....