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「角行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

角行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
島原心中」より 著者:菊池寛
立てた格子や、櫺子窓の紅殻色が、むっとするような不快な感じを与えるのです。煤けた角行灯に、第二清開楼とか、相川楼などと書いた文字までが、田舎の遊廓にでも見るよう....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
とそこに有名な人穴があるが、今では奥行数十間、変哲もない岩穴であって、富士講開祖角行の墓や浅間神社の小さい祠や石塔などが立っているばかり、何が名所だと云いたくな....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
った。きょうはお民もくたぶれたと見える。」 と半蔵はひとり言って見て、枕もとの角行燈のかげにちょっと妻の寝顔をのぞいた。四十四歳まで彼と生涯をともにして来たこ....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
、手軽なリュックサックを提げて町を歩きだした。さすがに上吉田は、明藤開山、藤原|角行(天文十年―正保三年)が開拓して、食行身禄(寛文十一年―享保十八年)が中興し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れないほど、それほど女の人柄《ひとがら》をよく見せるのでありました。 朱塗りの角行燈《かくあんどん》の下で、筆を走らせては、また引止め、そうして時々は泣いてい....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
丁稚小僧と花合せをして遊ぶ、時々父は私を彼が妾宅へ連れて行く。その家の戸口には、角行燈がかかってあり御貸座敷と記してあった。 そこでは「ぼんぼん、ええもの買う....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
て、猫が耳を撫でる……トいった風で、手を挙げて、見物を制しながら、おでんと書いた角行燈をひょいと廻して、ト立直して裏を見せると、かねて用意がしてあった……その一....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
を取添え、狐は腰に一口の太刀を佩く。 中に荒縄の太いので、笈摺めかいて、灯した角行燈を荷ったのは天狗である。が、これは、勇しき男の獅子舞、媚かしき女の祇園囃子....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の坐っている後ろには、六枚|屏風《びょうぶ》の煤《すす》けたのがあって、その左に角行燈《かくあんどん》がありますけれど、それには火が入っておりません。 自在鉤....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のためには必要ではないが、部屋の調度の均整のためには、ぜひなくてはならない、例の角行燈《かくあんどん》のほくち箱の中から出て来たものがあります。 「どなたですか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
とん》が真中のところに敷かれているが、その火鉢と座蒲団の程よきところに、丈の高い角行燈が一つ聳《そび》えている――という道具立てなのですが、これが、はっきり見え....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
些とでも荒立った気持でいるのは、自分には斯う静と独りでいても、耐えられない。兎に角行って様子を見よう。自家にいても何だか心が落着かぬ。 と、また出て長田の処に....
夜釣の怪」より 著者:池田輝方
、五六|間離れた処に、その女郎屋の主人が居る。矢張り同じように釣棹を沢山やって、角行燈をつけてたそうです。 祖父が釣をしていると、川の音がガバガバとしたんです....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
駅尽頭の角に来ると、冬を怨む枯柳が殆ど枝ばかりで垂れている傍に、千客万来と記した角行燈を懸けて、暖簾に柳屋と染め抜いた小料理屋があった。雪国の習で、板葺の軒は低....
四つの都」より 著者:織田作之助
して、静かに」 庄平「げんに僕は三月前にその方から慰問袋を戴いてるんです……兎に角行ってみましょう、有難う」 行きかけて、引き返し、 庄平「……こっちですか」 ....