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解せる
「解せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
解せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
たばかりである。友禅《ゆうぜん》の模様はわかる、金屏《きんびょう》の冴《さ》えも
解せる、銀燭《ぎんしょく》の耀《かがや》きもまばゆく思う。生きた女の美しさはなお....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
代の空気を呼吸して生き、現代の特徴をことごとく身に収めて、時代の悩みと憧憬とを理
解せる真正なる近代人さえもまれである。彼らはわれら青年と mitleben して....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
う云い出した。 おい、船の胴腹にたかって、かんかんと敲くからかんかんよ、それは
解せる、それは
解せるがかんかん虫、虫たあ何んだ……出来損なったって人間様は人間様....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
ていることを観破ていたのである。 「私には解せんなア」と校長は嘆息を吐いた。 「
解せるじゃアないか、大津が黒田のお玉さんと結婚しただろう、富岡先生少し当が外れた....
「作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
の関係を推測する事は不可能とはいわなくてはならんです」 「わしらはその関係はよう
解せると思うがなあ」と坊さんが云った。「このグレンジル伯なる者は仏蘭西革命に対し....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
拶もなく婚約を取消して化け者にくれてやる平戸久作の心が解せぬわ。イヤ。久作の心は
解せる。化け者の人身御供に美少女を所望した島田が憎い。のう。久作に罪はないぞ」 ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
、平生《へいぜい》悪人をのみ取り扱うに慣れたる看守どもの、一図《いちず》に何か誤
解せる有様にて、妾の言葉には耳だも仮《か》さず、いよいよ嘲《あざけ》り気味《ぎみ....
「曙覧の歌」より 著者:正岡子規
るところのかえっていつわりのたくみを脱するあたわざるは誠、ありのまま、の意義を誤
解せるによる。西行のごときは幾多の新材料を容《い》れたるところあるいはこの意義を....
「迷信解」より 著者:井上円了
を拝す。その髑髏、頭より落ちざれば人となる」と説いてある。この話をわが国の書に和
解せるものがあるが、その説に、「狐が妖怪をなすには、まず草深き野原にて髑髏を拾い....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
ぞ、世の名器を広く見よ、名器の要訣が悟れるぞ、すべからく茶家に教われ、茶道精神が
解せるぞ……と吹き込んで、それがどうなるものと松永さんは思っておられるのであろう....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
るから医師を見ることは神官の如く、その言う所を批評せずして信じている。例えば、溶
解せる鉛を口に入るるとも、少しも不思議には思わぬであろう。が、もしこれが他の所に....
「教育の最大目的」より 著者:新渡戸稲造
一学者は学術は常識を広むるものなりといえるも、これ常識を甚《はなは》だ広き意味に
解せるものである。とにかく学問は常識以外の智識を養うものにして、原《もと》より教....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
不安とすべきか、安心とみていいか、彼はいずれとも解き迷った。捕われてはいないとも
解せる。或いは、捕われてなお倉院に置かれたかとも考えられる。 高徳は惑いに駆ら....