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解れ
「解れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
解れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
船の中で俺の許《ところ》へ書いてよこしたという心持は、俺にも解ってる。その心持が
解ればこそ、俺はお前の不始末を引受けた。お前がまた仏蘭西《フランス》から帰って来....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
解嗜好癖なんだ。たかが、論理形式の問題にすぎんじゃないか。伸子が失神した原因さえ
解れば、なにも君みたいに、最初から石の壁の中に頭を突っ込む必要はないと思うよ」
....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
た。しかし、その時鑑識課員が姉妹の指紋を採りに入ってきたので、偶然緊迫した空気が
解れて、一同はやっと一息|吐くことが出来たのである。 その間、法水は側の置|洋....
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
守だと手を振る。頤で奥を指して手枕をするのは何のことか解らない。藁でたばねた髪の
解れは、かき上げてもすぐまた顔に垂れ下る。 座敷へ上っても、誰も出てくるものが....
「蓮香」より 著者:田中貢太郎
ょっとあがりましたが、もうこれでお別れします、私はこれでやきもちでなかったことが
解ればいいのです」 桑はひどく悲しんで言った。 「これというのも、この枕の下の....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
ら、詩という観念が意味するところの、真の根本の定義を知り得るだろう。そしてこれが
解れば、文学の最も重大な精神が解ったのである。故に自分の望むところは、単に詩の作....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
んな」 「うん、この辺にはなさそうか。ではどの辺に埋もれていような?」 「それが
解れば占めたもの、心配する事アござんせん」 「ではそれも解らぬかな」頼正の顔は顰....
「転機」より 著者:伊藤野枝
自分自身であがきのとれない深みにはいったようなもんじゃないか。」 「そんなことが
解れば苦労はしませんよ。それが解る人は買収に応じてとうに、もっと上手な世渡りを考....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
たよ。 私も帰った。 間もなく、何、さしたる事でもなかったろう。すぐに肩癖は
解れた、と見えて、若い人は、隣の桟敷際へ戻って来て、廊下へ支膝、以前のごとし。…....
「戯曲を書く私の心持」より 著者:豊島与志雄
と、どうもはっきり一つの纒ったイメージにならない。完全に昔のその時代通りのものが
解れば問題はないけれど、言語や服装なんかがどうしても頭にはっきり浮んで来ない。け....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
せん。どうかそれを聴かして下さい」 と言うから、 「私もそういうふうにあなたが
解れば話も出来る。この間話そうかと思ったが、あなた自身に悪いことが解らんうちには....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
郎ッ! 何を手前達ァ為ってるんだッ』 見ればジルベールとボーシュレーとは組んづ
解れつの大挌闘、血塗れになって床の上を上になり下になって転々しておる彼等の衣服は....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
何しろ、得体の判らぬ男であるが、何時まで睨み合っていても際限がないと、市郎の口も
解れ初めた。 「お前さんは此穴に棲んでいるのか。」 「そうじゃアありませんが、大....
「生不動」より 著者:橘外男
! ああ!」 と身も世もなくおろおろ声をふり絞っていた。 その間にも、組んず
解れつ、焔の塊は互いに往来を逐いつ転げつしていたが、私にもようやくおぼろ気ながら....
「それから」より 著者:夏目漱石
を刺激しようと力《つと》めた。ところが代助には梅子の腹がよく解《わか》っていた。
解れば解る程激する気にならなかった。そのうち話題は金を離れて、再び結婚に戻って来....