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「解熱剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

解熱剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
――東京にも田舎《いなか》にもおり終《おお》せない自分には――煩悶《はんもん》の解熱剤《げねつざい》を頓服《とんぷく》しなければならない自分には――神経繊維の端....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
っとも私のところへ取りに寄来した薬と云うのが凡て主人の使うもので、それが皆一種の解熱剤であるのを見ても、大分無理な夜更しでもするらしいのは判っていたのだが、それ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
の容体をいって薬を貰って来てやるのだが、今はどうすることも出来ない。まあ気休めに解熱剤でもあたえておこうか。」 「まあ、そんなことだな。」と、僕も言った。 T....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
は薬局から来た薬を何も知らずにのんだとしなけりやならん。しかし、薬局ではたしかに解熱剤を作り、これが間違いなくこの家に来たとすると、それが徳子の口にはいるまでに....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
い。 かくて金融ブルジョアジーのイデオロギーは、資本制自身の経済的は何と有効な解熱剤ではないか。 だがもし之で事が済むならば、技術というものは高々、現在の危....
階級闘争の彼方へ」より 著者:与謝野晶子
てしまうことが聡明な仕方だと思います。これを圧服しようと考えるのは、腸|窒扶斯を解熱剤で退治しようとするのと同じ庸劣な処置です。 しかし私は、今日|行れる工場....
十一谷義三郎を語る」より 著者:豊島与志雄
君の最後の絶筆は、朝日新聞の「花より外に」であった。三十九度もある発熱のなかで、解熱剤をのみのみ、六月の暑い日に、障子をしめきり布団の上に起き上って、あの洗練さ....
浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
ていた。八度ばかり熱があると云った。 晩になると、正枝はキヨを李の室にやった。解熱剤をあげるから来なさい、というのである。 李はおとなしく、着物にきかえ、褞....
学生と生活」より 著者:倉田百三
念からして、もはや厳しい真理から逸れたものだからだ。 恋愛を一種の熱病と見て、解熱剤を用意して臨むことを教え、もしくは造化の神のいたずらと見てユーモラスに取り....