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言えた義理
「言えた義理〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
言えた義理の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
ていた。
「今日までの阿母さんの恩を考えたら、お前が作さんを嫌うの何のと、我儘を
言えた義理じゃなかろうじゃねえか。ようく物を考えてみろよ」
「私は厭です」お島は....
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
のたけ泣いて泣いて泣いてから考えた。弱い、踏みにじられたる、いまさら恨《うら》み
言えた義理じゃない人の忍びに忍んで、こらえにこらえて、足げにされたる塵芥、腐った....
「誰」より 著者:太宰治
がるんだ。なんだい、あいつは、もう二年もつづけて落第しているくせに。僕の事なんか
言えた義理じゃないんだ。失敬だよ。」よそで殴られて、家へ帰って告げ口している弱虫....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
なり黙ってさ。それだって、様子を見ただけでも、お久しぶりとも、第一、お早う、とも
言えた義理じゃありませんわ。」 「どうしたんでしょう、こんな朝……雪見とでもいう....
「火の扉」より 著者:岸田国士
ならだよ。しかし、おれは早くから軍職に身をさゝげたものゝ一人として、こんなことは
言えた義理じやないが、今度の戦争ばかりは、堂々と戦つたと言いきれんのだ。なぜかと....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
は本家から半分ずつ学資を出してもらってそれで卒業も出来たのに今になってそんな事が
言えた義理でしょうか。貴老だってよく考えて御覧なさい」と伯母の怒りは容易に釈《と....