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言わす
「言わす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
言わすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「競馬」より 著者:織田作之助
かって、たちまち追い出されてみれば、もう刺青を背負って生きて行く道は、背中に物を
言わす不良生活しかない。インケツの松《まつ》と名乗って京極《きょうごく》や千本の....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
た? ――誰のことだとはなんだ? いわずと知れた……そうだよ、東銀子だ! 二度も
言わすな。――その通り、東銀子だ! ――なに? もう一ぺんいってみろ! よくわか....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
生を横截って、つかつかと間近に寄って、 「ちょいとちょいと、今日はね、うんと礼を
言わすんだ、拝んで可いな。」と莞爾々々しながら、勢よく、棒を突出したようなものい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
否定していた。も少しおだてられたら、音楽劇全体を否定するかもしれなかった。彼らに
言わすれば、音楽劇は文学の一種であって、それゆえに不純なものであった。(彼らは皆....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
言語った。ところがそれはクリストフにはもっとも興味のないことだった。クリストフに
言わすれば、思想の符号は別に重大なことではなくて、いかなる言語をもってしても思想....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
遠い隔たりがある。近来、もっとも強い者の忌むべき権利が削減されてきた。しかし僕に
言わすれば、もっとも弱い者の権利のほうがなおいっそう忌むべきものであるかもしれな....
「秦の憂愁」より 著者:豊島与志雄
く、あるのは支那というものだけでしょう。」 「違う。」と星野は叫んだ。 星野に
言わすれば、支那というものだけを実感しているのは、日本の旧時代層であって、新時代....
「塩花」より 著者:豊島与志雄
。それから鹿革の手套は今では自慢だった。他の如何なる布地のものも革のものも、彼に
言わすればそれはただ手の袋であって、手套という文字にふさわしいのは鹿革あるのみだ....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
ったって、あんたと結婚するとは限らないわよ」 「そうは云わせぬ」 「じゃア、どう
言わすの」 「とにかく、大鹿の隠れ家を突きとめてみせるから、ついてこい」 一服....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
上の力を頼んで最後の線を踰える時、そこに新に生ずる何物かがあるであろうか。鶴見に
言わすれば、それが即ち第二の創造であるというのである。 ファウストは書斎の場で....
「地上」より 著者:島田清次郎
しを得たにせよ、僕の方には真実の愛子を愛する心も愛子を想う心もあるわけです。僕に
言わすれば僕こそ彼奴に奪われたものを取りかえそうとするのですからね。無論少しばか....
「書記官」より 著者:川上眉山
のー、あのー、ただなんだか訝しいの。だから私は好かないと思っていますの。と目顔に
言わする心の中。ふむ、とばかり綱雄は冷笑うごとく、あいつのことだそんなことがある....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
いものを食うと、反吐が出る」 「ほな、何を食うんや」 「人を食う。いちいち洒落を
言わすな」 男の方が役者が一枚上だった。 「食わん魚釣って売るつもりか」 「お....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
ける兵士以外の者には全く解らないものだ、という意味のことが書いてあるが、百姓達に
言わすれば、百姓達に取っても、大地は、土は、母の懐であるのだ。一切であるのだ。土....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
る。 白瓜の皮の浅漬けと言い、かつおの中落ちの味噌汁と言い、ともに食通をアッと
言わすだけの立派な料理であるから、ご存じなき向きは、ゆめゆめ廃物利用だなんて薄っ....