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「言わずもがな〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

言わずもがなの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
、駆けたり追ったりしている。露店が並んで立ち食いの客を待っている。売っている品は言わずもがなで、食ってる人は大概|船頭船方の類にきまっている。鯛や比良目や海鰻や....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
理分析に傾いた評釈はいわゆる「うがち過ぎ」として擯斥《ひんせき》され、「さまでは言わずもがな」として敬遠されるようである。これは連句を単に鑑賞するだけの立場から....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
―詩の中で、天上界の力を地上に引きおろすことが流行した時代なんだ。ダンテのことは言わずもがな。フランスでは裁判所の書記や修院の坊さんが、マドンナや、聖徒や、キリ....
雪の宿り」より 著者:神西清
福、南禅などにそれぞれ分けてお納めになりました。京じゅうの土倉、酒屋など物持ちは言わずもがな、四条坊門、五条油|小路あたりの町屋の末々に至るまで、それぞれに目ざ....
大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
ないので、情の人か、理智の人かそれすら知らないが、悧巧《りこう》な人であることは言わずもがなであろう。 わたしの思出は、また紅葉館の、あの広々とした二階の一室....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
の力をかりるにあらざれば乾燥無味で、成立しない現状である。そこに、新橋柳橋赤坂は言わずもがな、清く、正しく、美しい社交的施設がゼロであるからである。私はまず第一....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
そして私は、その土地の人情にも接した。食べものの味も、試みた。 けれど、東京は言わずもがな、どこの国でも、わが上州ほどよい国はない。と、感じてきたのである。取....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
からともなく一時にぱっと拡がった。広い世間を狭く渡る身の上とはいえ、久兵衛の迷惑言わずもがなである。が、乗りかけた船、後へは引かれない。久兵衛、その代り前へ進ん....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
明けたらしい。起きて屋外へ出たが、一面の霧で何も見えない。西山東山、そんな遠くは言わずもがな、足許の水桶さえも定かではない。恐しい深い霧だ、天地はただ明るい鼠色....
昔尊く」より 著者:上村松園
うでございます。まことに何かと我身にひいてのみ申したようでございますし、増して、言わずもがなの極めてやさしいそして極めて些細なことでお笑草になることとは存じます....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ならなかった心の命令である。 こうした心が古い伝統にしばられたものであることは言わずもがなであろうが、それ故にこそ、そこに精神の貴族主義が生れるのである。現世....
追放されて」より 著者:神西清
色んなわいわい連だのと交際をはじめた。そこでさ、そういう手合に飲み食いをさせるは言わずもがな、ピアノもなくちゃならねえ、安楽椅子の上にゃ尨犬もいなくちゃならねえ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
前に述べました宇宙生命の真理すなわち「法身の仏陀」に、この自覚と覚他のあることは言わずもがなであります。 ところで、釈尊は人間として生れ、人間の寿命を限りに死....
魔性の女」より 著者:大倉燁子
たので、十二時近くに帰ったが、妻の安子は別に怪しむ様子もないのに内心ほっとして、言わずもがなのことまで軽口にしゃべりつづけた。 「会費の関係もあるだろうが、酒が....
夏日小味」より 著者:北大路魯山人
ぞ遠く及ばない。そして、これを美味く拵えるコツは、よい揚げ豆腐を手に入れることは言わずもがな、新鮮な大根を求めることにある。 錦木――京の木屋あたりで流連でも....