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「言伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

言伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
がん》な調子で、 「今朝《けさ》郁文堂《いくぶんどう》で野村さんに会ったら、君に言伝《ことづ》てを頼まれた。別に差支えがなかったら、三時までに『鉢《はち》の木《....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
で煙に捲かれた体で、しばらくはただ呆気《あっけ》にとられていましたが、とにかく、言伝《ことづ》てを頼まれた体なので、「よろしい。確かに頼まれました。」と云ったき....
或る女」より 著者:有島武郎
には倉地が確かにいたに違いない。そしていつものとおり一種の粘り強さをもって葉子の言伝《ことづ》てを取り次ぐ岡に対して、激しい言葉でその理不尽な狂気じみた葉子の出....
婦系図」より 著者:泉鏡花
田舎は律義で、日蝕は日の煩いとて、その影には毒あり、光には魔あり、熱には病ありと言伝える。さらぬだにその年は九分九厘、ほとんど皆既蝕と云うのであった。 早朝日....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
って、村も里も水の底に葬って、竜神は想うままに天地を馳すると……こう、この土地で言伝える。……そのために、明六つ、暮六つ、丑満つ鐘を撞く。…… 学円 (乗出でて....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
ケ所底の知れない深水の穴がある。竜の口と称えて、ここから下の滝の伏樋に通ずるよし言伝える、……危くはないけれど、そこだけは除けたが可かろう、と、……こんな事には....
古狢」より 著者:泉鏡花
りがかった当藩三百石、究竟の勇士が、そのまま中仙道北陸道を負い通いて帰国した、と言伝えて、その負さりたもうた腹部の中窪みな、御丈、丈余の地蔵尊を、古邸の門内に安....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
」 「片原に、おっこち……こいつ、棚から牡丹餅ときこえるか。――恋人でもあったら言伝を頼まれようかね。」 「いやだ、知りましねえよ、そんげなこと。」 「ああ、自....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ない。ちょうど汀の銀の蘆を、一むら肩でさらりと分けて、雪に紛う鷺が一羽、人を払う言伝がありそうに、すらりと立って歩む出端を、ああ、ああ、ああ、こんな日に限って、....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
音の仁王門、芝の三門など、あの真中を正面に切って通ると、怪異がある、魔が魅すと、言伝える。偶然だけれども、信也氏の場合は、重ねていうが、ビルジングの中心にぶつか....
双語」より 著者:上村松園
又兵衛を見ました。これは甲某家のものと図柄がまるで同じことで、やはり又兵衛という言伝えだそうです。しかし私の見るところでは、乙の又兵衛は甲の又兵衛ほどの出来に比....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
今のは前刻の水ではない。勿論この内にも、狐狸とか他の動物の仕業もあろうが、昔から言伝えの、例の逢魔が時の、九時から十一時、それに丑満つというような嫌な時刻がある....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
て、こうした町近くにはほとんどみだされないと称うる処の、梅鉢草が不思議に咲く。と言伝えて、申すまでもなく、学者が見ても、ただ心ある大人が見ても、類は違うであろう....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
小山夏吉は寂く微笑んだ。 「ははは、泣くより笑で。……富来に、判官どのが詠じたと言伝えて、(義経が身のさび刀とぎに来て荒城のさやに入るぞおかしき。)北の方が、竜....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
に、こぼれ松葉の青々としたのが、整然として手で梳いたように敷いてあった。 俗に言伝える。天狗、狗賓が棲む、巨樹、大木は、その幹の肢、枝の交叉の一所、氈を伸べ、....