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「言文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

言文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生きている腸」より 著者:海野十三
一人の大学生の身体がどしんとぶつかった。 「やに早く締めるじゃないか」 と、一言文句をいって鉄門を押した。 鉄門は、わけなく開いた。錠をかけてあるわけではな....
私の母」より 著者:堺利彦
んはおれが出す」と言った調子である。明治二十二年に、八十に近いお婆さんが、大胆な言文一致体で手紙を書いていたのである。これらのことも、私に取っては確かに多少の誇りであった。....
恭三の父」より 著者:加能作次郎
じゃ。それを聞いて己でも、お母さんでも心持よく思うのじゃ。」 「そりゃ私の手紙は言文一致で、其儘誰が聞いても分る様に……」と皆まで言わぬ中に、 「もう宜い※」と....
言語体の文章と浮雲」より 著者:幸田露伴
同君の名を知り伎倆を知り其執筆の苦心の話をも聞知ったのでありました。 当時所謂言文一致体の文章と云うものは専ら山田美妙君の努力によって支えられて居たような勢で....
風流仏」より 著者:幸田露伴
てまず/\と案じ始めけるが、箒木は山の中にも胸の中にも、有無分明に定まらず、此処言文一致家に頼みたし。 下 若木三寸で螻蟻に害う 世の中に病ちょう....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
って、西鶴調なるものが復活したのである。これは、山田美妙斎などによって提唱された言文一致体の文章に対する反抗となったものであって、特に露伴君の文章なぞは、大いに....
『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
論理が、いかにもそれに相応した言葉で、畦織のように示された所を見れば、これは殆ど言文一致の文章かと察しられる。源氏物語の文体は決して浮華虚飾のものでない。軽率に....
青春論」より 著者:坂口安吾
る。 それだけしか習わない文章だから実用以外の文章の飾りは何も知らぬ。文字通り言文一致の自叙伝で、俺のようなバカなことをしちゃ駄目だぜ、と喋るように書いてある....
明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
じく、真面目な文学的努力になるものではなかった。この十年間に、文学運動の上では、言文一致の提唱とその勝利があったが、そしてそれは、より直接的に社会生活を反映し得....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
り、その彼の科学小説が、単なる科学小説にとどまらず、宇宙の将来を予言している「予言文学」であることも、周知のことである。 僕は、コーナンドイルの探偵小説と、イ....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
散逸したが、不思議にこの一本だけが残ってるから爰に掲げて緑雨を偲ぶたねとしよう。言文一致ニカギル、コウ思附イタ上ハ、基礎ヤ標準ヤニ頓着スルマデモアリマセヌ、タダ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
も止むを得なかった。が、一端発表して後は自信を強くし、第二編には思う存分に大胆な言文一致を試みて自個の天地を開き、具眼の読書子をして初めて春廼舎以外に二葉亭ある....
西航日録」より 著者:井上円了
を隔てて、スエズ以西に日本船と会するは、余が大いに愉快とするところなり。よって、言文一致体の歌をつづりて、その喜びを述ぶ。 天日は云ふに及ばず旗までも世界を照す....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
用にして、写真術を知らず、スケッチはできず、余儀なく耳目に触れたる奇異の現象は、言文一致的三十一文字、または二十八言等にて写しおきたれば、本書中にその糞詩泥歌を....
松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
れども尚其の人に対し其の声を聴くの趣を存して尋常文章の人を動すに優れり、余は元来言文一致を唱うる者なり、曾て新井貝原両先輩が易読の文を綴りて有益の書を著わすを見....