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「言葉少な〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

言葉少なの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ひとみを驚かすようななまめいたポーズや、たよりなげな表情を見せるのを忘れないで、言葉少なにそれらの人に挨拶《あいさつ》した。叔父《おじ》と叔母《おば》とは墓の穴....
或る女」より 著者:有島武郎
ち》の置いてある六畳の間《ま》へと案内した。 そこにすわってひととおりの挨拶を言葉少なに済ますと、女将は葉子の心を知り抜いているように、女中を連れて階下に降り....
星座」より 著者:有島武郎
っていますが、僕は辞退したいと思います。どうか悪《あ》しからず」 とできるだけ言葉少なに思いきっていってしまった。 伏目になったおぬいさんの前髪のあたりが小....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っくり致しまして、取りあえず手分けをして探しに出ましたが、まだ帰って参りません」言葉少なに挨拶しながらも、困惑の色が女房の顔にありありと浮かんでいた。何事も承知....
あの時分」より 著者:国木田独歩
たからです。鸚鵡の一件で木村は初めてにがにがしい事情を知って、私に、それとなく、言葉少なに転宿をすすめ、私も同意して、二人で他の下宿に移りました。 木村は細長....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ている。そのそばに、さまざまの漁具と弁当のお櫃とを持って集まって来た漁夫たちは、言葉少なに物を言いかわしながら、防波堤の上に建てられた組合の天気予報の信号灯を見....
親子」より 著者:有島武郎
わたった空の高みに、細々とした新月が、置き忘れられた光のように冴えていた。一同は言葉少なになって急ぎ足に歩いた。基線道路と名づけられた場内の公道だったけれども畦....
白蛇の死」より 著者:海野十三
のかげへ来てくれたのは、もう午前二時を少し廻った頃であった。 「じゃ、いいかい」言葉少なに技手はこう言って、無雑作にお由の頭を抱きあげた。国太郎は夢中で足の方を....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
かり自分の言葉癖は出しにくかった。父娘は夜な夜な「最後の晩餐」という敬虔な気持で言葉少なに美味に向った。 いったいが言葉少なの父娘だった。わけて感情を口に出す....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、いつ覚えたともなく、その頃の私にはそれ位の見わけがつくのでした。 お爺さんは言葉少なに私をこの若者に引き合わせた上で、 『今日は御苦労であるが、俺のところの....
おとずれ」より 著者:国木田独歩
みに想い候え、十蔵とは奸なる妻のために片目を失いし十蔵なり、妻なく子なく兄弟なく言葉少なく気重く心怪しき十蔵なり。二郎とはすなわち貴嬢こそよく知りたもう二郎なり....
初孫」より 著者:国木田独歩
べり』と申せば皆様すぐと小生の事に思し召され候わば大違いに候、妻のことに候、あの言葉少なき女が貞夫でき候て以来急に口数多く相成り近来はますますはげしく候、そして....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ット、あの馬鹿者については、これだけのことを云っておこう。さる侯爵だ――とね」と言葉少なに云うのでした。 しかし、お訊ねにかかわる羅針盤の文身は、隈なく捜した....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
でわざわざそうするのではない。一つは子供の時からの家庭の躾によるのであるが、父が言葉少なに忍耐を教えた指導法が、どんなにストイックなものであったかはさて措いて、....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ておられたそうだ。死なれる前ごろ、私が行くと、 「もうわきまえてはいます」 と言葉少なく訴えられた。欠けたお椀で食事したりしていられた。家は傾ききっていた。 ....