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言葉尻
「言葉尻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
言葉尻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
かあさんに対する感情の負担だけでも当分一人前はたっぷりあるのだからなあ」むす子は
言葉尻を独り言のようにいってのけた。 むす子が面と向ってこういう真実の述懐を吐....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
? 首のなき者がいかにして風をくらう事が出来よう。あらぬ事を口走るものではない」
言葉尻をつかまえて、からかおうとした故、では、それがしの申すことを出鱈目、嘘いつ....
「光の中に」より 著者:金史良
っと以前から彼は私を疑りの目で監視しながらつきまとっていたようであった。時々私が
言葉尻などにひっかかって舌が廻らないような場合にも、よくそれを真似て殊更にわらい....
「獏鸚」より 著者:海野十三
フィルムの一節が切り取られてあった。 「私の合点がゆかないことはですね」と木戸は
言葉尻に力を入て、「不思議にもフィルムの切取られた箇所と、台辞の間違っている箇所....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
瓜ざね顔で、鼻筋の通った、目の大い、無口で、それで、ものいいのきっぱりした、少し
言葉尻の上る、声に歯ぎれの嶮のある、しかし、気の優しい、私より四つ五つ年上で――....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
自分のものにコナしてしまう頭を彼は持っていたのです。彼はどんなちょっとした他人の
言葉尻でも、決して空には聞き流しませんでした。同志の人達は、彼とは係りなしに話し....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
く、 「ええ、もう存じておりますとも。」 と一際念入りに答えたのでありまする。
言葉尻も終らぬ中、縄も釘もはらはらと振りかかった、小宮山はあッとばかり。 ちょ....
「小公女」より 著者:菊池寛
ました。ロッティは大きい子達のおしゃべりに耳をすましているうち、ある時、ふとした
言葉尻から、セエラが屋根裏にいるのだということを知りました。その日の暮近く、ロッ....
「入梅」より 著者:久坂葉子
の挨拶もなしに、行くなんて、わしを何と思っている、わしはおはると……」 作衛の
言葉尻を追究することはどうしても私には出来なかった。それは当然わかっていることだ....
「まかないの棒」より 著者:黒島伝治
己らあ、もう醤油屋へは行かんのじゃ。」 京一は、何か悲しいものがこみ上げてきて
言葉尻がはっきり云えなかった。 「醤油屋へ行かずにどうするんどい? 遊びよったら....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
借金が、結局いくらか残りましたし、今度はうんと切符を売らなければなりませんの。」
言葉尻が、みんな子供のような笑顔で、消えてしまう女だった。 「僕も出来るだけ、後....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
するとその隣りに坐りながら、いいかげんに酔っているところから、相手があったら
言葉尻でも取って、食ってかかろうと構えている、博徒らしい若者がいたが、 「一時に....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
つかから、ほんに逢いたい逢いたいと思うて、どれだけ、何年になる事やら。」 と、
言葉尻が泣声で切れて、ひょいと刎ねるように両袖で顔を隠した。何だか滑けたように見....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
私撰である以上、むしろその方が誤りであるとして論ずる事も容易である。これは何とか
言葉尻をつかまえてでも、少くも水掛論のもとの状態にまで引き戻して、小杉先生のお顔....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
』 『お客さんッて? 男? 女?』 『女ですが――』と妻君は夫の顔色を見ながら、
言葉尻を濁してしまいましたが、張氏はその後を引き取って、無造作に云ってのけるので....