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訊
「訊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
て見ると、小えんはもう二月ほど前に、若槻と別れたというじゃないか? なぜ別れたと
訊《き》いて見ても、返事らしい返事は何もしない。ただ寂しそうに笑いながら、もとも....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
いくら番の兵士の数をふやしても、妃たちの子を生むのは止りません。
――妃たちに
訊《き》いてもわかりませんか。
――それが妙なのです。色々
訊いて見ると、忍んで....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
。但し、これは、李小二が、何故、仙にして、乞丐《きっかい》をして歩くかと云う事を
訊ねた、答なのだそうである。
「人生苦あり、以て楽むべし。人間死するあり、以て生....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
て、暫く世間話をしている中に、偶然、佐渡守が、いつものように前島林右衛門の安否を
訊ねた。すると、修理は急に額を暗くして、「林右衛門めは、先頃《さきごろ》、手前屋....
「運」より 著者:芥川竜之介
んだ時が、満願《まんがん》の夜に当ったものでございます。
「その上、相手は、名を
訊《き》かれても、名を申しませぬ。所を
訊かれても、所を申しませぬ。ただ、云う事を....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
にん》御自身さえ舌を捲かれたそうでござる。」そこで、「そなたは何処のものじゃと御
訊《おたず》ねあったれば、一所不住《いっしょふじゅう》のゆだやびと」と答えた。が....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
大きな松の木があって、赤木には少し勿体ないような家だから、おい家賃はいくらすると
訊いて見たが、なに存外安いよとか何とか、大に金のありそうな事を云ってすましている....
「狂女」より 著者:秋田滋
するうちに、彼はその女がただの一度も姿を見せないことに業を煮やして、病気のことを
訊いてみた。すると、この家の主婦は悲しい悲しい目にあったことが因で、十五年このか....
「墓」より 著者:秋田滋
めに並々ならぬ骨を折った。かくて法廷が再び静粛になると、裁判長は厳かな口調でこう
訊いた。 「被告には、申し開きになるようなことで、何か云っておきたいことはないか....
「初雪」より 著者:秋田滋
思うと、また、 「いいなあ。火ッてものは実にいいよ」 時にはまた、こんなことを
訊くこともあった。 「何か変ったことでもあったかね? どうだい、ご機嫌は?」 ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
、「御身は何の所用ありてこの橋上を徘徊さるるぞ」と問われたり。予もこの頃は巡査に
訊問さるるは何にかかわらず不快に感ずる頃なれば、「イヤ所用なければこそこの橋上を....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
下しておったらしい。 さて上に述べた手紙に対して、アボットは何が不快であるかと
訊いてよこした。ファラデーはこの手紙を受取って、ローマで十二枚にわたる長文の返事....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ったのである。 彼女はそこでその指環を静かに指のまわりに※しながら、伯母にこう
訊いた。 「ねえ伯母さま。何でございますの、この指環は――。子供の髪の毛のようで....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、風の翼に乗ることもできるのだ。そこで、彼は見せかけの勇をふるって、どもりながら
訊問した。「だれだ、貴様は」返事はなかった。彼は前よりもっとふるえる声でくりかえ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
みなれた村を後にした。 とある山の中腹に羊飼いの姿を見かけると、二人はその男に
訊いてみた。行きずりの旅商人にも尋ねてみた。村に這入れば百姓に、町へ着けば役場へ....