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訓示
「訓示〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訓示の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
めに耳がかァんとなった。笠井はまだ何か滑らかにしゃべっていた。
場主がまだ何か
訓示めいた事をいうらしかったが、やがてざわざわと人の立つ気配がした。仁右衛門は息....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
られたあとで、使節は老中の前に呼び出され、老中は属僚に言い付けて例によって一場の
訓示を朗読させた。
訓示は主として彼らがシナ人や琉球人の船に妨害を加えてはならない....
「獄中記」より 著者:大杉栄
でないのに驚かされた。着くとすぐ、みんな一列にならべさせられて、受持の看守部長の
訓示を受けた。 「こんどはみんな刑期が長いのだから、よく獄則を守って、二年のもの....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ただけでは夕べに死ぬ気には容易になれぬ、と云わねばならぬ。 潮内相は地方長官に
訓示して「一身を君国に捧げ公明なる心事と中正なる態度を以てその職に精進すべきは吏....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
運転手と並んで腰かけていた。 午後九時四十五分。彼は、出発に際して隊員に一場の
訓示を与えた。仏蘭西大使のように流暢なふらんす語だった。 『出かける前に広告はし....
「静岡地震被害見学記」より 著者:寺田寅彦
と果してそうであった。 新築の市役所の前に青年団と見える一隊が整列して、誰かが
訓示でもしているらしかったが、やがて一同わあっと歓声を揚げてトラックに乗込み風の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
耳には、やがて神様の御声が凛々と響いてまいりました。それは大体左のような意味のお
訓示でございました。 『今より神として祀らるる上は心して土地の守護に当らねばなら....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
と、帆柱にする丸太、たきぎにする板きれを積め、用意ができたら、すぐ出発」 私の
訓示とげきれいに、一同はこころよくうなずいて、出発の用意にかかった。 用意はす....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
もフンとも返事をしないこと、その一日の出来事を報告して母の指示を仰ぐこと、細々と
訓示を受けたが、実は御年配の大金満家か大華族に見染められればいいという魂胆で、女....
「文化祭」より 著者:坂口安吾
は持ってきて下さらなくちゃア、雑費が払えませんから」 ニコリともしないで重大な
訓示を云い渡した。男女三十名の重役連、
訓示の重大さに気づいたのは、信二の家を辞し....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
きるのは、私だけなのである。私の指し示す時をまて、私はこういって、カストリどもに
訓示をたれた。 「いいか。諸君。アロハが復活するときは、決してアロハをきて現れは....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
われわれ両人がこの事情を報告すると、船長は全員をあつめて、後甲板の上から一場の
訓示を試みた。私はこの時ほどの立派な彼というものを今まで見たことがない。丈高く引....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
候が変って、海上は、風波強いらしく思われた。 そこで、早目の朝食後、余は総員に
訓示をあたえた。 「諸君よ、今暁吾々が行う潜行は、祖国を頽廃から救う、偉大なる隠....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
校長室に呼び付けられて叱られていた。 が或る時県知事が巡回して来て講堂で一場の
訓示演説のようなものがあった。私達が総起立していると、ギュッギュッと靴の音がして....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
だ。 岸野は上機嫌だった。――庭先の、少し高い所に立って、小作に向って簡単な「
訓示」を与えた。そしてすぐ奥に入ってしまった。吉本が是非そうしなければならないと....