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「託け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

託けの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
て、もう十羽殖えたぐらいは、それだけ御馳走を増すつもりでいるのに。 何も、雀に託けて身代の伸びない愚痴を言うのではない。また……別に雀の数の多くなる事ばかりを....
」より 著者:徳田秋声
さまへ行って来ましょうね。」 お銀は子供に話しかけながら、乳呑み児の方を女中に託けて出て行った。 一時に四十二度まで熱の上った子供は、火のような体を小掻捲き....
」より 著者:徳田秋声
ないの。」 「逢いたくたって、今じゃとても逢わせやしませんよ。それでもその当座、託けてあった氷屋の神さんに、二度ばかりあの楼へつれて来てもらったことがあったよ。....
十二支考」より 著者:南方熊楠
録』にも見える。次に岸本由豆流《きしもとゆずる》が件《くだん》の文の「何の葦影に託けて」の何は河の誤写と発明したので、いよいよ意味が明らかになった。全く貫之朝臣....
雁坂越」より 著者:幸田露伴
き過ぎようとする。圃の中からは一番最初の歌の声が、 「何だネお近さん、源三さんに託けて遊んでサ。わたしやお前はお浪さんの世話を焼かずと用さえすればいいのだあネ。....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
で目を据えたよ。 (貴様のような友達は持たん、失敬な。)と云って引返したわ。何か託け、根は臆病で遁げただよ。見さっせえ、韋駄天のように木の下を駆出し、川べりの遠....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
なら、御朋輩の方に、御自分の事をお知らせ申さないように、内証でと、くれぐれも、お託けでございましたものですから。」 「変だな、おかしいな、どこのものだか言ったか....
南地心中」より 著者:泉鏡花
て。 天満の鉄橋は、瀬多の長橋ではないけれども、美濃へ帰る旅人に、怪しい手箱を託けたり、俵藤太に加勢を頼んだりする人に似たように思ったのだね。 由来、橋の上....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
さりと巻いた、背負上の不思議な色気がまだ目に消えない。 ――原稿を十四五枚、言託けただけで帰ろうと思うのを、「どうぞ、」と黙って入ってしまった。埃だらけの足を....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
色の着物から膚を通して、四辺に射拡がるように思われるのでありまする。 「ちょいと託ける事があるのだから、折角見えたものを情なく追帰すのも、お気の毒だと思って、通....
故郷」より 著者:井上紅梅
に隠れて出て行くまいとしたが、遂に彼の父親に引張り出された。 彼はその後父親に託けて貝殻一|包と見事な鳥の毛を何本か送って寄越した。わたしの方でも一二度品物を....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
家へ自分で裾分けを持って行ったものだったが、この頃は、母親に言われても、何かに仮託けて、つかいに行きたがらない。 母親が起き出られるようになって、どうやら針の....