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「記念物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

記念物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
身投げ救助業」より 著者:菊池寛
建物がだんだん取り払われた後もそのままで商売を続けた。これが第四回博覧会の唯一の記念物だといえばいえる。老婆は死んだ夫の残した娘と、二人で暮してきた。小金がたま....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ドレほどこの地球を愛し、ドレだけこの世界を愛し、ドレだけ私の同胞を思ったかという記念物をこの世に置いて往きたいのである、すなわち英語でいう Memento《メメ....
俊寛」より 著者:菊池寛
に、持っているのに気がついた。それは、現在の彼にとって、過去の生活に対する唯一の記念物だった。彼は、一晩考えた末、この過去の生活に対する記念物を、現在の生活の必....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
淵源は古代のカルデアとエジプトであって、そこには約七千年の昔から保存された文化の記念物がかなり多量にある。もっともまだまだもっと古いほとんど五万年も昔の文化の遺....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
すから、実体が仮象よりも華やかでないのは道理ですわ。しかし、そんなハム族の葬儀用記念物よりかも、もしその四角の光背と死者の船を、事実目撃した者があったとしたらど....
貞操問答」より 著者:菊池寛
間に、煙の如く意味もなく、消えるのだろうと思うと、そのために、亡父と母との大事な記念物が、易々と消えて行くことが、新子には悲しかった。 重松は、紙幣を数えて、....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
街道 東二里安楽追分町 左従是中仙道 こう石標には刻まれてあるが、これも懐しい記念物であろう。 さてある夜若菜屋の座敷に、客と遊女とが向かい合っていた。客は....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、この一見平凡の道了塚も、過去に多くの秘密を持っている薪左衛門にとっては、重大な記念物らしく、栞に助けられて、それを躄りのぼる彼の顔には、複雑な深刻な表情があっ....
決闘場」より 著者:岡本かの子
は、その東南に連なる自然公園のゴルダースグリーンやハムステッド丘に散在する色々の記念物――詩人キーツの家やフランス喜劇作家モリエールの嘗て住んだ家、丘の上の城ホ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
震火で灰となった記念物の中に史蹟というのは仰山だが、焼けてしまって惜まれる小さな遺跡や建物がある....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
るこの流刑地の普通の家とほとんど区別がないにもかかわらず、それでも旅行者に歴史的記念物という印象を与えた。そして、彼は以前の栄えた時代の権勢を感じたのだった。彼....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
文を乾かしました。その濡れた痕の付いた法華経、三部経のごときものは今なお私の手に記念物として保存してあるです。その記念物を見る度にどうしてあの時助かったろうかと....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
陸ともに寒暖六十度なり。夏時は遊覧者のために、海浜に臨時郵便取扱所を設く。また、記念物を販売する野店あり。その価廉ならず。 岬頭赤壁幾千尋、攀到、一宵養得百年心....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
昨年十一月に始めて出羽の踏査に着手したその続きを、この春の休暇中にやってみたいと思っている折から、山形県史蹟名勝天然記念物調査委員会の開会式が行われるので、やって来ぬかと理事官の有吉君から言って来....
洛北深泥池の蓴菜」より 著者:北大路魯山人
る植物には、世界のどこにもないというような珍草がたくさんあるとのことである。天然記念物として大学で保護しているようだ。かかる池だから、じゅんさいもまた余所の池沼....