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訛伝
「訛伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訛伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
と云うのは自分の事だろう」と豪語した。しかしその事件から基次、関東に内通せりとの
訛伝ありし為既に死は決していたらしい。その心情の颯爽たる実に日本一の武士と云って....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
其夜同一族大内新助降参方御陣に参候」(『寺社雑事記』) 此の宗全の死も、降服も
訛伝であった。併し此の年の三月十九日には、鞍馬|毘沙門の化身と世人に畏怖せられて....
「李陵」より 著者:中島敦
養っていた畜群が剽盗《ひょうとう》どものために一匹残らずさらわれてしまったことの
訛伝《かでん》らしい。陵は蘇武の母の死んだことだけは告げたが、妻が子を棄《す》て....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
へ飛ぶ翼ある蛇あり、大毒ありて近づくものを殺すとあるは、覿切《てっきり》この物の
訛伝だ(一五八八年版ラムシオ『航海旅行記全集《ナヴィガショニ・エ・ヴィアッジ》』....
「春六題」より 著者:寺田寅彦
で持てはやされている。これがこういう場合にお定まりであるようにいろいろに誤解され
訛伝されている。今にも太陽系の平衡が破れでもするように、またりんごが地面から天上....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
以てこれを禦ぎしより、ついに専ら代官殺しが、日忌の夜笊を出す唯一つの起りのよう、
訛伝《かでん》したのであろう。 邪視は、人種学民族学、また宗教学上の大問題で、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の街道筋の東西の雲助という雲助が、明日という日に関ヶ原で総寄合を行うということの
訛伝《かでん》でありました。 雲助には国持大名が多い――彼等は長州と呼び、武州....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、これに関聯して秘密の使命を受けていたかのような想像説まで生じたのは多分この事が
訛伝されたのであろう。事実は犬の間違であったのだ。 こんな咄にもならない馬鹿々....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
》ら北斎の画風に親しみ、新《あらた》に一家を成さんとの意ありし事を記せり。これは
訛伝《かでん》にあらざるべし。今親しくその画《が》を看《み》るに風景美人共に国貞....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
で、自分は親しく実地を調査したものでないが為に、或いは聞き違いもあろうし、中には
訛伝も交っておろうし、ことにそれは多くは過去の事に属し、今日では所謂「秋山だって....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
に素養なき人々の間にもそれが評判となり、中には本書を通読することなくして、伝聞に
訛伝を加えた場合が多かったらしく、道鏡は皇位覬覦という様な不軌を図ったものでは無....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
るものにいたっては、両翼の長さ六尺ありという。案ずるに、阿房鳥とはアルバトロスの
訛伝ならん。当夕ヤソ教礼拝式ありて、乗客半数出席す。 二十二日、雨。寒さらに加....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
国府の台で、千葉之介常胤舎弟|國府五|郎胤道の城跡であると申すを、此の国府の台を
訛伝えて鴻の台と申すのだろうが、慥か永禄の七年|甲子の正月七日八日の戦いは激しか....
「『切支丹と旧エタ』について」より 著者:喜田貞吉
も思わぬから、ことに基督の教えを奉ずるこれらの人々が、世人の或る者らの間に存する
訛伝を意に介せられもすまいとは思うが、目暗千人の世の中にあって、為に迷惑を感ぜら....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
」は出来ていない。この点を一寸明らかにしておきたいのである。 というのは、最近
訛伝が中々横行しているからである。
訛伝即ち所謂デマであるが、先日も高沖陽造先生に....