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訪い
「訪い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訪いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
なかりしという。この篇の稿|成るや、先生一本を写し、これを懐にして翁を本所の宅に
訪いしに、翁は老病の余、視力も衰え物を視るにすこぶる困難の様子なりしかば、先生は....
「活人形」より 著者:泉鏡花
し。 下枝は北の台に幽囚せられてより、春秋幾つか行きては帰れど、月も照さず花も
訪い来ず、眼に見る物は恐ろしき鉄の壁ばかりにて、日に新しゅうなるものは、苛責の品....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ず、廻国のついでに、おのずから、その武州何郡、何村に赴きたまわば、」事のよしをも
訪いとむらいたまえと、舌を掉って語ったというのである。――嘘ばっかり。大小哥哥、....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
葬場の前には必ず花屋と石屋あり。東京の谷中に異ならず。親戚、朋友ときどき埋葬場を
訪い、墓所を掃除し花を献ずる等、またわが国の風習に異ならず。 埋葬場の中央に寺....
「西航日録」より 著者:井上円了
の境界を見るべし。午前十時、三人相携えて上陸。余は領事館および三井物産会社支店を
訪い、馬場氏に面し、日新館にて河合、甲賀両氏と手を分かち、印度支那汽船会社の便船....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。雷雨はげしく来たり、満身ためにうるおう。少憩の後、郵船会社支店長松平市三郎氏を
訪い、杯をふくみ話を交ゆること約一時間にして、領事館に移り、総領事代理瀬川浅之進....
「妖怪学」より 著者:井上円了
は、馬島東白氏の実験にかかる催眠術治療法より始めざるべからず。馬島氏、一日、余を
訪いて曰く、「われは西洋伝来の催眠術を利用して治療上に施し、これを数十人に試むる....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
誌』上に、三田某氏の寄せられたる一書あり。その中に曰く、 小生、一夕某氏の宅を
訪いしに、老幼男女相集まり、コックリ様の遊戯をなすを目撃せり。そのとき種々さまざ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
を排けた途端に飛出し、何処へか逃げてしまってそれ切り帰らなかった。丁度一週間ほど
訪いも訪われもしないで或る夕方|偶と尋ねると、いつでも定って飛付く犬がいないので....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
かった。いよいよ済まぬ事をしたと、朝飯もソコソコに俥を飛ばして紹介者の淡嶋寒月を
訪い、近来|破天荒の大傑作であると口を極めて激賞して、この恐ろしい作者は如何なる....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
さを少しでも軽くしようと冀って、昼間出掛けようと思った先輩の須永助教授のところを
訪い、一切を告白して適当な処置を教えて貰おうと決心しました。 外へ出てみますと....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
まいか。――そうだ、無いこともない。 僕は決心を定めて、その夜雁金次席を私邸に
訪い、退職の件を願いいでた。この物優しい先輩は、いろいろと僕を慰めてくれ、退職を....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
朝テクテク歩いて、二十町もある理化学研究所に通った。夜は、毎晩のように老人の許を
訪い、彼がやって居る研究の話や、学界がどんな問題を持ってどんな方向へ動いてゆくか....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
情を自分から棄てることもできなかったものと見えて、その家を出た日に野上弥生子君を
訪い、そしてらいちょうにはハガキを出した。が、その後この二人の友人が悪罵に等しい....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
なれりと伝えられたり。旭川の有志、明日は捜索隊を出さむと騒げり。出張の途次、余を
訪いたる甥の政利も、その隊に加わらむとせり。余無事に旭川に戻りて、甥は愁眉を開き....