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訪ねる
「訪ねる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訪ねるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
た。私は立ち上った。
「では僕は失敬しよう。いずれ朝鮮へ帰る前には、もう一度君を
訪ねるから。」
私はカッフェの外へ出ると、思わず長い息を吐《つ》いた。それはち....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ったのだが、聞けばこれから越前へ行って、派は違《ちが》うが永平寺《えいへいじ》に
訪ねるものがある、但《ただ》し敦賀に一|泊《ぱく》とのこと。
若狭《わかさ》へ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《やなみ》の揃《そろ》った町の中ほどに、きちんとして暮しているはず。 その男を
訪ねるに仔細《しさい》はないが、訪ねて行《ゆ》くのに、十年|越《ごし》の思出があ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
その手に乗せられて、嫂が兄の死後、勝見にたよっていたこと、又勝見が深夜に嫂の室を
訪ねるのを見たことなどをうちあけてしまいした。警部は満悦そうに頷き乍ら、 「お兄....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
コンクリートの路面だった。私は厭な気がした。 そこで私は、トコトコ歩き出した。
訪ねる先は、七軒町の玩具問屋、丸福商店だった。あっちへ行ったり、こっちへ行ったり....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
ました。そこで厳しい八字髭の安藤巡査に案内を頼んで、四遍目の犠牲者を出した農家を
訪ねる事が出来たんです。 その家の主人と言うのは、五十がらみの体の大きなアバタ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
少し前のことだった。ある日先生から、大沢と大久保と僕と三人に、その晩先生の下宿を
訪ねるようにと言われた。 「何の用だろう。」 三人は心配しだした。先生に自分の....
「河明り」より 著者:岡本かの子
に口を開いていた。この江戸築城以前の流域を調べることは何かと首都の地理学的歴史を
訪ねるのに都合が良かった。例えば、単に下流の部分の調査だけでも、昔大利根が隅田川....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
た出て来たので、僕と一緒にそこへ宿をとった。 「集会にも出れなければ、ろくに人を
訪ねることもできないんじゃ、仕方がない、せめてはパリ第一の遊び場に陣取ってうんと....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
以来すっかり帆村と仲よしになり、調査隊の捜査のひまを見ては、鉱山の研究室へ帆村を
訪ねることが多くなった。児玉は調査隊の七人組の助手の一人であるが、その中ではいち....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、私の前途につきて心を遣ってくれるのでした。『それについては、私があまりたびたび
訪ねるのは、却って修行の邪魔になりましょうから、成るべく自分の住所を離れずに、た....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
は、砧まき、紅梅餅、と思っただけで、広小路へさえ急足、そんな暇は貰えなかったから
訪ねる事が出来なかった。 盆やすみに、今日こそと、曳船へ参りましたが、心当りの....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ったが紅屋へ掛けた。八郎は勿論帰っていない。楽屋に居る筈はなかろう。居てもそこを
訪ねる数ではないから。……再びお悦の導くままに。―― かくて、川通りの骨董屋へ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
と。大抵のお客は挨拶にマゴマゴしてしまった。その頃であった、或る若い文人が椿岳を
訪ねると、椿岳は開口一番「能く来なましたネエ」と。禅の造詣が相当に深いこの若い文....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
られた際、一度この点を抗議して博士から少しく傾聴せられ来訪をすすめられたが、遂に
訪ねる機会も無くそのままとなったのは、未だに心残りである。 大正十二年、ドイツ....