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訪ふ
「訪ふ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訪ふの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は外山やこえつらむ軒端に残る音もまばらに 山里は日にけに雪のつもるかな踏みわけて
訪ふ人もこなくに しら雪のうづみ残せる煙こそ遠山里のしるしなりけれ これらの冬....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
るはすやうなはかなき人々が一時のすさびに取はやすなるらし」と歎じている。「我れを
訪ふ人十人に九人まではたゞ女子《をなご》なりといふを喜びてもの珍しさに集《つど》....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
寞たり。まことなるかな、青苔日々にあつくとあるも然り。年月をふるといへども、こと
訪ふ人もなく、安閑の境界は却つて楽を招き、富貴を願はず、我が惑はぬ年をこそ、秋の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らむ薯《いも》かつら、子にほだされて捨てかねし、身のなる果《はて》をあはれ世に、
訪ふ人絶えてなかりけり。畢竟《ひつきやう》お夏がこの窮阨《きゆうやく》の、後のも....
「旅へ出て」より 著者:宮本百合子
と小麦の世にもあるかな 歌唄ひ物を書けども我心 一つにならぬかるきかなしみ
訪ふ人もあらぬ小塚の若きつた 小雨にぬれて青く打ち笑む 行きずりの馬のいば....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
りつゝその名一声は 呼ばであられぬわれなりしかな なき人をきのふもけふも
訪ふ家の 庭の白梅ちることしきり 羨ましかの世に行きてむつまじく ....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
臣《おとど》かな 実方《さねかた》の長櫃《ながびつ》通る夏野かな 朝比奈が曽我を
訪ふ日や初鰹《はつがつを》 雪信《ゆきのぶ》が蝿《はへ》打ち払ふ硯《すずり》かな....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。 慶長十年、播州姫路の三友寺に掛錫し、一詩を賦して寺を退き、後、駿河の清見寺を
訪ふ。又、備前の泰恩寺に到り、天長和尚の関捩を透破し、繋留久しからず花園妙心寺聖....