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訪れる
「訪れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訪れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
ない。
そんな事が一年ほど続いた後《のち》、ある日趙生が久しぶりに、王生の家を
訪れると、彼は昨夜《ゆうべ》作ったと云って、元※体《げんしんたい》の会真詩《かい....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
てみると、何かと行く所も多いものですから、容易に潤州《じゅんしゅう》の張氏の家を
訪れる暇《ひま》がありません。私は翁の書を袖《そで》にしたなり、とうとう子規《ほ....
「或る女」より 著者:有島武郎
雄《ヒーロー》の一人《ひとり》とさえして崇拝された。この木部がたびたび葉子の家を
訪れるようになった。その感傷的な、同時にどこか大望《たいもう》に燃え立ったような....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
仕事をする所に出懸けた。
北国には冬が見る見る逼《せま》って来た。ある時病院を
訪れると、お前たちの母上は寝台の上に起きかえって窓の外を眺めていたが、私の顔を見....
「星座」より 著者:有島武郎
靴を脱ぎはじめた。
いつ来てみても園はこの家に女というものばかりを感じた。園の
訪れる家庭という家庭にはもちろん女がいた。しかしそこには同時に男もいるのだ。けれ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
百隻揃って北氷洋や南氷洋に出動したと考えて見給え。そうなると極寒の海に俄然常春が
訪れるじゃないか、漁業や交通やその他いろいろの事業に関して……」 「ほう、これは....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
ないのであるが、そしていま又こうして夫人の重大な招きの電話を受けて始めて深谷邸を
訪れる機会を持ちながらもいまはもう会おうにも会えない事情に立ち至ったのであるが、....
「恐竜島」より 著者:海野十三
発は、探検船が出航するのとは大へんにちがって安全なものであった。 「もうふたたび
訪れることはあるまい」 飛行艇が出発する時、南国の花で作られた花たばが、機上か....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
間もなく、忽ち光は褪せて、黒々とした闇が海と空とを包んでゆきました。 にわかに
訪れる夜! それこそ気の毒にも、睨み合った相手の位置を、ひっくりかえすのでした....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
一月経っても、二月経っても、司直はミチミたちを安穏に放置しておいた。しかし初冬が
訪れると間もなくミチミは仮初の風邪から急性の肺炎に侵されるところとなり、それは一....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
れると、遠くで湯の雫の音がした。 聞き澄すと、潟の水の、汀の蘆間をひたひたと音
訪れる気勢もする。……風は死んだのに、遠くなり、近くなり、汽車が谺するように、ゴ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、あの、すなわちその、怪しからん……しかも梅雨時、陰惨としていた。低い格子戸を音
訪れると、見通しの狭い廊下で、本郷の高台の崖下だから薄暗い。部屋が両方にある、茶....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
両界の多くの人達の集り……。私はその当時を憶い出して、覚えず涙に暮れつつも、近く
訪れるこちらの世界の母がどんな様子をしていられるかを、あれか、これかと際限もなく....
「初雪」より 著者:秋田滋
った子供を連れて、希望にもえ、愛情に酔い、幸福にひたった心を抱いて、再びこの地を
訪れるであろう。しかるに自分はどうか。名ばかりながら今は生きながえらえている哀れ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
かげもなく痩せ衰えて、雨戸を開け、座敷へ這い上るのもやっとのくらいだった。誰一人
訪れるものもない家、ひっそりと静まりかえって、晩秋の淋しい陽射しに、庭前の雑草の....