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「訪客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

訪客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西湖の屍人」より 著者:海野十三
せる日は、大抵月の上旬にきまっていた。もし気をつけて垣の間から窺っているならば、訪客は夜分にかぎり、そして年齢のころは皆、四十から下の比較的わかい男女であって、....
空中墳墓」より 著者:海野十三
日は相良十吉に報告を約束した日だった。その朝も私は例のごとく十時に起きて、二三の訪客に接した。正午を過ぎると研究室に入って夕方まで机上執務を続けた。 そこへ中....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
があった。 「オイ、一九九四号、起きてるか。――」 看守の後から背広姿の二人の訪客が入って来た。私は保釈出獄の使者だろうと直感した。 (オヤ)私は心の中で訝っ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
度と手紙がきても行かずにいた。 と、つぎに昨日のことだった。ふいに、男女二人の訪客があって、その名刺をみたときオヤッと思ったほど、じつにそれが意想外の人物だっ....
蘆声」より 著者:幸田露伴
えてしまって、それから後はおちついた寛やかな気分で、読書や研究に従事し、あるいは訪客に接して談論したり、午後の倦んだ時分には、そこらを散策したりしたものであった....
火星兵団」より 著者:海野十三
なさい。今会えるかどうか、私が聞いてあげましょう」 と言って、親切にも、他の来訪客を待たせておいて、大江山課長へ話をしてくれた。 その口添がきいたのか、課長....
小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
座のような椅子があった。クッションのない板のように堅い椅子で、宮様はこれにかけて訪客に接したのであろうが、生活の堅苦しさが思いやられるような椅子であった。私はキ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
秋雨の降りしきる朝。海舟邸の奥の書斎で、主人と対坐しているのは泉山虎之介。訪客のない早朝を見すまして智恵をかりにきたのであるが、手帳をあちこちひッくりかえ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
せて、思わず、 「あっ!」と、小さくはあったが、口に出して叫んでしまった。彼は、訪客を新子であると信じ切っていたのに、彼が部屋へはいると同時に、立ち上った女性は....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
のときお引取を願うとすごすご引下る。気の毒やらおかしいやらであるが、常時そういう訪客に襲われていると、自然に意地の悪い撃退法にジュクタツせざるをえなくなるのであ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の梵字の円い額も左右の柱の「能発一念喜愛心」及び「不断煩悩得|涅槃」の両|聯も、訪客に異様な眼を※らした小さな板碑や五輪の塔が苔蒸してる小さな笹藪も、小庭を前に....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
かった。私ばかりじゃなかった、昼は役所へ出勤する人だったからでもあろうか、鴎外の訪客は大抵夜るで、夜るの千朶山房は品詩論画の盛んなる弁難に更けて行った。 鴎外....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を発表する場合と同じ疑懼心が手伝って、眼が窪み肉が瘠せるほど苦辛し、その間は全く訪客を謝絶し、家人が室に入るをすら禁じ、眼が血走り顔色が蒼くなるまで全力を傾注し....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
私は、六畳、四畳半、三畳三間の、深川のアパートにもう二十年も住んでいる。狭い上に訪客も多いので、疲れが休まらない。時折場所を換えてはと思うこともあるが長い間ひと....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
覆面を脱いだ男は色白の女のような美しい顔をしていた。これがもし玄関から一人の訪客としてやって来たのだったら、義賊尾越千造だと名乗られても、恐らく信じられなか....