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「設え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

設えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三人の双生児」より 著者:海野十三
うのがそのころの妾自身の身形だった。妾の尋ねるはらからというのは、その頃寮の中に設えられた座敷牢のような太い格子の内側で、毎日毎日|温和しく寝ていた幼童――とい....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が、問罪的な不気味なものとしか考えられなかった。 聖壇の前には半円形の演奏台が設えてあって、そこに、ドミニク僧団の黒と白の服装をした、四人の楽人が無我恍惚の境....
安重根」より 著者:谷譲次
室にもその合唱と足踏みがはじまる。黄瑞露と柳麗玉は一隅の薪の積んである前に寝床を設えている。 黄瑞露 (隣室の騒ぎに眉をひそめて)何でしょうねえ、夜中だというの....
地図にない島」より 著者:蘭郁二郎
…………」 圭さんは、一寸頷くように眼を動かしたきりだった。 中野は、そこに設えつけの、望遠鏡の接眼部を拭うと、静かに眼に当てた。 いつものように、水平線....
火星の魔術師」より 著者:蘭郁二郎
と、その藁葺の農家は、なかはすっかり洋風に造りかえられてあって、椅子やテーブルが設えてある。ちょっと地方の新しがり屋――といったような感じの部屋だった。尤もそれ....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
も彼にはなかった。 お、冷たい、冷たい、硬直な、怖ろしい死よ、ここに汝の祭壇を設えよ。そして、汝の命令のままになるような、さまざまの恐怖をもてその祭壇を装飾せ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
なかなかの賑やかさだ。 甲板ゴルフ、麻雀、ブリッジ、碁、輪投げ、散歩、デッキに設えたプウルの水泳。夜は映画、音楽会。舞踏。 がたん・がたん、と細かく機関が唸....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
ていたが、杉江はその黒襟の汚れを爪で弾き取って、 「いいえ、それと云うのは、私の設えた幻燈なので御座います。あの二階の雨戸に一つ節穴があるのを御存知でいらっしゃ....
食指談」より 著者:佐藤垢石
ではなかったのであろう。 天保の、万八樓の会は壮観であった。入口に受付の帳場を設え、来会者を次から次へ住所、氏名年齢、職業を記入する。来会者百六十二人、受付の....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
に見えるのであろうか、 「や。ようお越し」 と、厳しい辞儀などを略して、小姓の設えた敷物へ、武将らしくあぐらをくみ、 「――聞けば伜の新蔵が、いかい御恩になっ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
が、 「父上。どうぞお越しを」 「できたのか」 「はい」 「座敷も」 「あちらへ設えておきました」 「そうか。では……」 と、客を促して、幸村は、縁づたいに、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、さて醒めて、湯浴み食事などもすました翌る日。 一室には、又太郎のための上座が設えられていた。代官の松永経家は下座に平伏して。 「どう仕りまして。御本国におわ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
来て、錠ノ口を開かせ、内の俊基へ、 「――弁ノ殿、こうお出でください。ほかに室の設えが出来申したゆえ」 と、案内に立った。いや取り囲んで、ひき連れて行ったとい....
私本太平記」より 著者:吉川英治
舟手の用意をいたしておけと」 「ほ。相違ないのか」 「ご覧じませ。あれにお船座も設えて、お待ちしおりますところで」 「そうか。それではここでお館を待つとしようか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ので、たちまち往来も木蔭も馬息れと人影でうずまった。 「御宿営は、そこの桜井寺に設えておきました。まずはおくつろぎを」 宿の駅門から山ぎわの方へ一、二町。薬師....