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許す
「許す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
許すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の屋敷の外へ参って居りましょうか。」と囁いた。が、甚太夫は頭《かしら》を振って、
許す気色《けしき》も見せなかった。
やがて寺の門の空には、這《は》い塞《ふさが....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
を求めたのか、童貞だった頃の己は、明らかに袈裟の体を求めていた。もし多少の誇張を
許すなら、己の袈裟に対する愛なるものも、実はこの欲望を美しくした、感傷的な心もち....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
いたが、このごろは特にその感が深い。
○そうして、ゆっくり腰をすえて、自分の力の
許す範囲で、少しは大きなものにぶつかりたい。計画がないでもないが、どうも失敗しそ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
わけ》ではありません。ただ何年かたって死んだ後《のち》、死体の解剖《かいぼう》を
許す代りに五百円の金を貰《もら》ったのです。いや、五百円の金を貰ったのではない、....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
は、この雨の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に
許すべからざる悪であった。勿論、下人は、さっきまで自分が、盗人になる気でいた事な....
「或る女」より 著者:有島武郎
といあなたにどんな過失どんな誤謬《ごびゅう》があろうとも、それを耐え忍び、それを
許す事においては主キリスト以上の忍耐力を持っているのを僕は自ら信じています。誤解....
「星座」より 著者:有島武郎
て立とうとしている以上、今後は文学などに未練を繋《つな》ぐ姑息《こそく》を自分に
許すまいと決心したのだった。
* * *
札幌に来る時、....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
にもつきはじめた。 こう云う鼠を狩るために鼠を一匹|捉えたものには一日の上陸を
許すと云う副長の命令の下ったのは碇泊後|三日にならない頃だった。勿論水兵や機関兵....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
類が思いもかけぬよき収得をする場合もないではない。私はかかる現象の出現をも十分に
許すことが出来る。然しそれは決して性的任務の常道ではない。だから私が男女関係の或....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
thius〕)という学者としきりに交際したという話がある。カール大帝もまた事情の
許す限りにおいて学術の奨励を勉めた。その時代に、フルダの有名な寺院にラバヌス・マ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
で傭われて来る兵士に対しては、どうしても専制的にやって行かねばならぬ。兵の自由を
許すことはできない。そういう関係から、鉄砲が発達して来ますと、射撃をし易くするた....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
けではないが、國民全体のデモクラシーによらず、指導者群に特殊の權力を與えて專制を
許す方式をとつたのである。しかるに恐るるものなき指導者群の專制は、個人の專制以上....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
文に応じてくださる筈はございませぬ。『他人を怨むことは何より罪深い仕業であるから
許すことはできぬ。又良人には現世の執着が除れた時に、機会を見て逢わせてつかわす…....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
取りの浅墓な心懸の人々には、つくづく長大息を禁じ得ぬ。本人も本人だが、その存在を
許す周囲の人達も人達である。日本民族が精神文化の先頭に立ちて、世界を率いる資格の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
えども、海軍省や内務省等から学問上の事を問い合わせに来るようなことがあると、力の
許す限りは返答をした。一八三六年からは、灯台と浮標との調査につきて科学上の顧問と....