許りか[語句情報] » 許りか

「許りか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

許りかの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世相」より 著者:織田作之助
の胸にピンクの薔薇をつけて、頭には真紅のターバン、真黒のレースの手袋をはめている許りか、四角い玉の色眼鏡を掛けているではないか。私はどんな醜い女とでも喜んで歩く....
光のない朝」より 著者:宮本百合子
かを、性根の髄から思い知らされた。 おまきは、狂気のようになって津田を罵倒した許りか、娘の上に、神も怒らすほどの証を立てた。 「それあ、勝手な真似をなさるのも....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
べる事になり、胎龍と空闥の二人が玄白堂に赴いた。所が、堂の内外には何等異常がない許りか、試みに頭上の節穴から光線を落してみても、髪毛の漆が光るに過ぎない。そして....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
強直をしている点に、第一説明が付きますし、何より犯人が、その無意識状態を利用した許りか、日頃不思議な法術の種になっている|悪魔の爪を、却って逆用した事がお判りに....
双面獣」より 著者:牧逸馬
あんな素晴らしい夢を見乍ら、直ぐ警察へ訴え出もせずに、長いこと独りで楽しんでいた許りか、訊かれても愚図ぐずして快く返事もしなかったのは、只に、当局の努力を助ける....
俗臭」より 著者:織田作之助
ばなれする程鼻は高くなったが、眼が釣り上って、容色を増した感が少しも起らなかった許りか、鏡にうつしてみて、まるで自分でもとっつき難い顔になった。三月経って漸くそ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
に足が出せまいと想われる。其上連日私達を苦しめていた藪は、少しも其|勢を弛めない許りか、此処から百二、三十米を登る間というものは、極度の蔓り方で、矢でも鉄砲でも....