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許多
「許多〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
許多の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
しく言いますから先ずお聞き成さい、全体私は脳の働きが推理的に発達して居ると見え、
許多《あまた》の事柄の中で似寄った点を見出し、此の事は彼の事の結果だとか、これは....
「緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
相公の※を載す 雖然羮を調うるの用をなすことを要するも 未だ必ずしも羮を調うるに
許多を用いず 秋壑はそれを聞いて、その詩を作った士人を誹謗の罪に問うて獄に繋い....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
宮があって、どこでも日を定めて厳かな祭が行われるのであった。長安には太清宮の下に
許多の楼観がある。道教に観があるのは、仏教に寺があるのと同じ事で、寺には僧侶が居....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
斎には、本業の医学に関するものを始として、哲学に関するもの、芸術に関するもの等、
許多の著述がある。しかし安政五年に抽斎が五十四歳で亡くなるまでに、脱稿しなかった....
「細木香以」より 著者:森鴎外
名を是阿弥と云ったことを知った。香以は相摸国高座郡藤沢の清浄光寺の遊行上人から、
許多の阿弥号を受けて、自ら寿阿弥と称し、次でこれを河竹其水に譲って梅阿弥と称し、....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
の谿べに生ふる、山吹を屋戸に引植ゑて」(巻十九・四一八五)、「天ざかる鄙とも著く
許多くもしげき恋かも和ぐる日もなく」(巻十七・四〇一九)等の例に見るごとく、加行....
「端午節」より 著者:井上紅梅
論も挙動も風采も元より大した区別のあるものではなく、すなわち学生団体の新に起した
許多の事業は、すでに弊害を免れ難く、その大半は線香花火のように消滅したではないか....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
筒を携え多摩川の方へ出かけて行った。 多摩川に曝す手作りさらさらに何ぞこの女の
許多恋しき。こう万葉に詠まれたところのその景色のよい多摩川で彼は終日狩り暮した。....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
っと》び金力を尊重する結果として、不正なる方法によって富《とみ》を為《な》す者も
許多《あまた》ある。少しく心ある者にして今日社会の状態を見る者は、実業を一纏《ひ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ある聖ジュリアンの物語を選んで翻訳した。翻訳は見事な出来栄えである。鶴見は鴎外の
許多の翻訳中でその物語をこの上なく愛誦している。聖ジュリアン物語は悪魔の誘惑を書....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
画面に、序分義化前縁の段がある。王舎城耆闍崛山に、仏|大比丘衆一千二百五十人及び
許多の聖衆と共に住んだ様を図したものである。右辺左辺と、位置を別にしているが、順....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
してその作の情調を味いたい。僕はいかにも日本の仏らしい藤原時代の仏像と外国趣味の
許多に加わっている天平時代の仏像とを比較して、“LOCAL COLOUR”の意味....
「妾宅」より 著者:永井荷風
ては決して二宮尊徳《にのみやそんとく》の教と牴触《ていしょく》しないで済むものが
許多《いくら》もある。日本の御老人連は英吉利《イギリス》の事とさえいえば何でもす....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
は若やかに揺らるゝ心地す。
楽しかりし日のくさ/″\の象を汝達は齎せり。
さて
許多のめでたき影ども浮び出づ。
半ば忘られぬる古き物語の如く、
初恋も始ての友情....
「どら猫観察記」より 著者:柳田国男
る能わざる偶然の原因に基づいて、その文化が激変をしようとして居る。しかも其原因が
許多の海山を隔てて、世界到る処のこの種族のすべての者に、共通であるということは考....