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許嫁
「許嫁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
許嫁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
川君を相手じゃ、せっかくの発見の自慢《じまん》も出来ない。――とにかく長谷川君の
許嫁《いいなずけ》なる人は公式通りにのぼせ出したようだ。」
「実際そう云う公式が....
「或る女」より 著者:有島武郎
めに古藤を連れてここに来たのだった。葉子はそのころすでに米国にいるある若い学士と
許嫁《いいなずけ》の間柄になっていた。新橋で車夫が若奥様と呼んだのも、この事が出....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」と、半七は二人に云い聞かせた。 お元が政吉をかばっていた仔細も判った。二人は
許嫁《いいなずけ》の約束のある仲であった。苦しい生計《くらし》の都合から、お元は....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
量の愛の含まるる。 一寸見には、かの令嬢にして、その父ぞとは思われぬ。令夫人は
許嫁で、お妙は先生がいまだ金鈕であった頃の若木の花。夫婦の色香を分けたのである、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
っと考え込んじまう癖があるのよ」と云っても規矩男はその事とばかり思い込んで、彼の
許嫁に就いて語り出した。 「つまり僕のあれは――始めは親達が決めて、あとで恋人同....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
深い理由があるのです……。実は……今更物語るのもつらいのですが、私には幼い時から
許嫁の人がありました。そして近い内に黄道吉日を択んで、婚礼の式を挙げようとしてい....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ような感情に駆られて、私はキッティのところへ手紙を出して、婚約の指環というものは
許嫁の娘としてその品格を保つべき有形的の標であるから、その指環の寸法を取るために....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
る。彼の説明によれば、その船長はコーニッシ海岸に住んでいる非常に美しい若い婦人と
許嫁の仲であった。ところが、彼が航海の留守中に、その婦人は奇怪なる恐怖が原因をなして死んでしまったというのであった。....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
ゃ。困った事が出来た。恐らく或る個所で直芳がその娘に云い寄っている処を、その娘の
許嫁の男でも見つけて、殺害したかも知れぬ。小露とやらがその娘で、六次三郎とやらが....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
おさき 源右衛門妻。五十四歳。 おくみ 孤児の女中、もと良家の娘、源兵衛の
許嫁。十八歳。 円命阿闍梨 三井寺の長老。 三井寺の法師稚児大勢。 その他、村....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
男は年をとったほうの婦人の腕を小脇にかかえるようにした。 (この男はあの若い女の
許嫁なのだな) 彼はそう思った。 しかし彼には、この男に似た青年にむかしどこ....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
、阿麼事を僕に頼んだのだ?」 三枝は急に顔を赤らめて答えた。 「玲子さん(彼の
許嫁)が慎三君(その兄)とその前日より自動車旅行に出ていたのだ。そしてあの日どこ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
そうすると、対手の女雛を自分ごッこにでも極めているんで、その冠が失せたのも、
許嫁の印の簪でも落したように思ってることでしょう、婦人は天窓の物と謂いますから。....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
て?」 男は夫人と私の顔を等分に見ながら、淋しい笑い方をした。 「智恵子は私の
許嫁だった女です。そして現在は弟の妻、東伯爵夫人となっていたのです」 夫人もこ....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
あの人は旦那様のお裁きを受けたのでございます。 ある男、その人こそは私の大切な
許嫁の夫だったのでございますのよ。私は未来の外交官夫人という華やかな生活を夢みな....