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許諾
「許諾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
許諾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
ますから、どうかそのおつもりで……」 私はそれに対してこう答えた。 「あなたの
許諾を得ない以上は、たといどんなに書きたい事柄《ことがら》が出て来てもけっして書....
「ケーベル先生の告別」より 著者:夏目漱石
欄にその文句を出すのも好まないというのである。私はやむをえないから、ここに先生の
許諾を得て、「さようならごきげんよう」のほかに、私自身の言葉を蛇足《だそく》なが....
「こころ」より 著者:夏目漱石
すると、私は自分でその男を宅《うち》へ引張《ひっぱ》って来たのです。無論奥さんの
許諾《きょだく》も必要ですから、私は最初何もかも隠さず打ち明けて、奥さんに頼んだ....
「行人」より 著者:夏目漱石
した。
自分はこれからだんだんに父や母に自分の外へ出る決心を打ち明けて、彼らの
許諾を一々求めなければならないと思った。ただ最後に兄の所へ行って、同じ決心を是非....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
笑いながら、 「じゃ私も少しお待ち申しましょうか」と言った。その言い方が三四郎に
許諾を求めるように聞こえたので、三四郎は大いに愉快であった。そこで「ああ」と答え....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
らない。人々は勢い込んで乳牛の所在地へ集った。 用意はできた。この上は鉄道員の
許諾を得、少しの間線路を通行させて貰わねばならぬ。自分は駅員の集合してる所に到っ....
「家」より 著者:島崎藤村
さんがそうですし――阿父がそうです――」 「へえ、君の父親さんの若い時も、やはり
許諾を得ないで修業に飛出した方かねえ」 「私だってもそうでしょう――放縦な血が流....
「蒲団」より 著者:田山花袋
て、「それで先生、私達もそう思って、今はお互に勉強して、将来に希望を持って、親の
許諾をも得たいと存じておりますの!」 「それが好いです。今、余り騒ぐと、人にも親....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
く訳に行かなかった。葛城が家族の反対に関せず、何を措いても彼女の父の結婚及渡米の
許諾を獲べく、単刀直入|桶狭間の本陣に斬込まねばならぬと考えた。
....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
代の重器で有ったに拘《かかわ》らず、又家臣の亘利《わたり》八右衛門という者が、御
許諾なされた上は致方なけれども御当家重代の物ゆえに、ただ模品《うつし》をこしらえ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
血を頭脳に潮して其一顰一笑を得んと欲せしが預て今業平と世評ある某侯爵は終に子爵の
許諾を経て近々結婚せらるゝよし侯爵は英敏閑雅今業平の称|空しからざる好男子なるは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
山先生――」 「やあ、茂坊か」 「入ってもようござんすか」 「お入りなさい」 と
許諾を与えたのは、駒井甚三郎でした。 そこで室内に走り込んだ清澄の茂太郎が、ま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
仕事が平然として続けて行けるべきはずはないのですから、伊太夫も命令こそ下さない、
許諾《きょだく》こそ与えないけれども、与八の為《な》すことに相当の諒解を持ってい....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ざいました。『御自分同志が良いのは結構であるが、斯ういうことは、矢張り御両親のお
許諾を得た方がよい……。』どうせ私の申すことはこんな堅苦しい話に決って居ります。....
「蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
極平凡なことで、息子の貞夫が女給の百合子に惚れ、金につまり、両親に告白し、結婚の
許諾を求めたが、母親の頑強な反対に出会い、欝々として自殺さえしかねまじき態度を取....