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「訳が無い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

訳が無いの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文字禍」より 著者:中島敦
であろう云々《うんぬん》。 文字の霊が、この讒謗者《ざんぼうしゃ》をただで置く訳が無い。ナブ・アヘ・エリバの報告は、いたく大王のご機嫌《きげん》を損じた。ナブ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たことはございません。時が時でございますから、主人も心配いたしまして、もしや申し訳が無いなどと短気を起こしたのではあるまいかと……。お福ひとりではなく、若いおか....
婦系図」より 著者:泉鏡花
就中、独逸文学者酒井俊蔵先生の令嬢に対して、身の程も弁えず、無礼を仕りました申訳が無い、とお詫びなさい。 そうすりゃ大概、河野家は支離滅裂、貴下のいわゆる家....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
けれども、嬉しがって一人で聞かしてばかり頂いていたんでは、余り勝手過ぎます。申訳が無いようですから、詰らない事ですが、一つ、お話し申しましょうか。 日の暮合....
」より 著者:島崎藤村
、橋本の家を興してくれるが可いぞや……ええ、ええ、それを忘れるようなことじゃ、申訳が無いで……」 こうお種は言いかけたが、興奮のあまり声が咽喉へ乾干び付いたよ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
には、自分は十九歳を一期として父の許へ行く――父は前年郷里で死んだ――主人には申訳が無いから君から宜しく云うてくれ、荷物は北海道に居る母の許に送ってくれ、運賃と....
相馬の仇討」より 著者:直木三十五
をもって逃出してしまった。 どうせこういう二人が、少々位の金で暮らして行けよう訳が無い。 「どうやら兄貴め、ここに居るのに気がついたらしいぜ。中国へ出ようたっ....
弟子」より 著者:中島敦
しない。季孫《きそん》に告げて事を計れと言う。季康子《きこうし》がこれに賛成する訳が無いのだ。孔子は君の前を退いて、さて人に告げて言った。「吾、大夫の後《しりえ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
は十六万石|若《もし》くは十八万石であったというから、其後は大戦も無く大功も立つ訳が無いから、大抵十八万石か少し其《それ》以上ぐらいで有ったろう。然るに小田原陣....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
であゝいう堅い気性でございまして、はッと取りのぼせましたか、又預り金を取られ申し訳が無いと切羽詰りに成りまして、あゝいうことに成りましたか、もう歿なりますると、....
南国太平記」より 著者:直木三十五
に――あのやさしい人を刺す――妾には、出来ない――でも、しなければ、お父さんに申訳が無いし、――一体、何うしたなら――) 深雪は、もう一度合掌した。 二人の....
環礁」より 著者:中島敦
至っては己の島の絶滅を予感してその前に戦《おのの》いているものが、そんな事をする訳が無いのである。また、女性の身体の一部に不自然な施術をする奇習が原因だろうとい....
それから」より 著者:夏目漱石
低い声になった。そうして怨《えん》ずる様に、 「未《まだ》ですわ。だって、片付く訳が無いじゃありませんか」と云ったまま、眼を※《みは》って凝《じっ》と代助を見て....