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「訳する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訳するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
対に兄にも妹にも同情していた。姉の意見は厳粛《げんしゅく》な悲劇をわざと喜劇に翻
訳する世間人の遊戯であるなどとも言った。こう言う言い合いのつのった末には二人とも....
「河童」より 著者:芥川竜之介
い》のゼンマイに似た螺旋《らせん》文字が一面に並べてありました。この螺旋文字を翻
訳すると、だいたいこういう意味になるのです。これもあるいは細かいところは間違《ま....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
忘れたが、宛名に「しようせんじ、のだやすつてん」というやつがあって、誰も漢字に翻
訳することができなかった。それでも結局「修善寺野田屋支店」だろうということになっ....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
知っていても、その場に臨んでは急には思い出せないのであろう。たとえばたった一行を
訳するにしても、「そこでロビンソン・クルウソオは、とうとう飼う事にしました。何を....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
、物いわぬ花のかげを眺めているばかりじゃ。おなぶりなさるな」 まじめらしく言い
訳する男の顔を、女はやはり笑いながらじっと見入っていた。遠い亭座敷から笛の声がゆ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
リジナルから必然的に懸け離れているであろうと思われるのを、更にもう一度日本語に意
訳するのではどこまで離れてしまうか分らないであろうと思われた。それでできる限り原....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ら「義勇」に進むものと予断している(一一八頁及び付表第二)。英米の傭兵を義勇兵と
訳するのは適当でない。ここに言う「義勇」は皇運扶翼のために進んで一身を捧げる真の....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
人の脈を取ることになった。T君は病人の顔を見せろと言うと、老人はあたかもそれを通
訳するように老女にささやいて、青い袖の影に隠されている娘の顔を画燈の下にさらさせ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
いが、六カ国ばかりの欧州語なら、堅いものでも柔らかいものでも何でも御意のままに翻
訳する、というような触れで売り物にでも出ようか。しかしせっかくこうしておとなしく....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
して来た。 博士の鑑定によると、かの奇怪な魚は原名をジビアスといって、これを直
訳すると剣魚とでもいうべきものである。その特徴は二尺|乃至四尺の長いくちばしをも....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
クルが書いてあって、そのなかに昔の僧侶が書いたらしい語がしるしてあった。それを翻
訳すると、こうである。 ――この壁に近づく者は、有情と非情と、生けると死せるとを....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
いつの世にでも、日本での発見はそのまま世界の発見であり、詩や歌のごとく、外国語に
訳するの要もない。 これらの理由により、科学者たらんとする者のために、大科学者....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
(とりなし顔に云えど、玉虫は耳にもかけず。) 玉虫 これ、妹。もっともらしゅう云
訳するが、かかる境涯におちぶれても、お前はまだまだ命が惜しいか。 玉琴 おなごの....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
リーで、官報局で外字新聞を翻訳した時と同じ心持であった。尤も二葉亭は外字新聞を翻
訳するにもやはり相当な苦辛をした。如何にドラッジェリーのツモリでもツルゲーネフを....
「妖影」より 著者:大倉燁子
部屋へ帰りたい?」 首を傾げてお嬢さんに云いながら、今度は私の方を向いて云い
訳するように云うのだった。 「海気で体がしっとりしてきたから、もう部屋へ入りたい....