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「訳本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

訳本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ずに小型の本に読み耽《ふけ》っていた。それは Liebknecht の追憶録の英訳本だった。が、重吉は通夜疲れの為にうとうと居睡《いねむ》りをしていなければ、窓....
新生」より 著者:島崎藤村
た。母の看護のかたわら節子が病院で夜を送る時の心やりと見え、ルウソオの「懺悔」の訳本なぞが読みさしの枝折《しおり》の入ったままその戸棚の上に置いてあった。 し....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
以前、かの三蔵法師で有名な中国の玄奘三蔵が翻訳されたもので、今日、現に『心経』の訳本として、だいたい七種類ほどありますが、そのうちで『心経』といえば、ほとんどす....
読書法」より 著者:戸坂潤
も惜しく、読んで了ったものだ。尤も本はごく小さく四六判一四〇頁程のものであるが(訳本の方も二百頁程だ)。 ジーンズは物理学的観念論者の典型ともいうべき人であろ....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
ていたアーヴィングの「スケッチ・ブック」やユーゴーの「レ・ミゼラブル」の英語の抄訳本などをおぼつかない語学の力で拾い読みをしていた。高等学校へはいってから夏目漱....
読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
立てられたようである。当時まだ翻訳は無かったように思うが、自分の見たのは英訳の抄訳本でただ物語の筋だけのものであった。そうして当時の自分の英語の力では筋だけを了....
空想日録」より 著者:寺田寅彦
組み打ちの予行練習として行なったものと見える。 ポアンカレ著「科学者と詩人」の訳本を見ていたら、「学者は普通に、徐々にしか真理を征服しないものであります。(中....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
、ハリスン版、イングラム版、その他の諸版にはみな前者になっている。ボードレールの訳本もその意味に訳してある。ステッドマン版はこの語をグリズウォルド版に拠《よ》っ....
浚渫船」より 著者:葉山嘉樹
部分、アラビアンナイトの粟粒のような活字で埋まった、表紙と本文の半分以上取れた英訳本。坊主の除れたフランスのセーラーの被る毛糸帽子。印度の何とか称する貴族で、デ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
い 玄蕃《げんば》の水汲み読書が足らない 漢字ばかりじゃ叶《かな》わぬ世の中 翻訳本でも見たらばよかろう 平岡丹州、石川、京極、立花 なンぞは蛆虫《うじむし》同....
重兵衛さんの一家」より 著者:寺田寅彦
しては実に驚くべきハイカラであったに相違ないのである。ゲーテのライネケフックスの訳本を読んで聞かせてくれたり、十歳未満の自分にミルの経済論、ルソーの民約論を教授....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
胤の家庭や生活記録を主として取扱ったものと、ロオデンバッハの『死都ブルウジュ』の訳本とである。 鶴見はやっとの思いで、転出先の農家に帰り著いた。そして手に入れ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
で金に換えたものであるが、それでも二葉亭の飜訳としてはかなり不手際であっても、英訳本と対照するにやはり擅に原文を抜いたり変えたりした箇処は少しもなかった。イクラ....
十六、七のころ」より 著者:永井荷風
ェークフィルドの牧師』。それからサー・ロジャス・デカバリイ。巴里屋根裏の学者の英訳本などである。中村敬宇《なかむらけいう》先生が漢文に訳せられた『西国立志編《さ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
違って居るのもあります。甚だしきは全くその意味を異にして居るのもあり、また一つの訳本に出て居る分が外の本には出て居らないのもあり順序の顛倒したのもあるというよう....