訳読[語句情報] »
訳読
「訳読〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
訳読の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
う保吉《やすきち》へ話しかけた。堀川保吉はこの学校の生徒に英吉利《イギリス》語の
訳読を教えている。が、授業の合《あ》い間《ま》には弔辞を作ったり、教科書を編《あ....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
、たちまち自分たちの級の一人を「さん」づけにして指名した。勿論すぐに席を離れて、
訳読して見ろと云う相図《あいず》である。そこでその生徒は立ち上って、ロビンソン・....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
が打ちこんだりしても、その浪なり風なりは少しも文字の上へ浮ばなかった。彼は生徒に
訳読《やくどく》をさせながら、彼自身先に退屈し出した。こう云う時ほど生徒を相手に....
「星座」より 著者:有島武郎
ことはなくて、しまいまで読みつづけた。渡瀬さんもそれからはかなり注意しておぬいの
訳読を見ていてくれた。
読み終えるとおぬいは眼に涙をためていた。もうそれを渡瀬....
「二人の友」より 著者:森鴎外
が来て待っていて、夕食の時までいる。この間に私は安国寺さんにドイツ文の哲学入門の
訳読をして上げる。安国寺さんは又私に唯識論の講義をしてくれるのである。安国寺さん....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
「これが僕の楽みだ。ちっぽけな青春だよ」と、赧い顔をして言ったが、急にリーダーの
訳読でもするような口調になって、 「さくら井屋には旅情が漲っている。あそこには故....
「学生時代」より 著者:幸田露伴
思って居る」など互に鎬を削ったものである。 此の外は復文という事をする。それは
訳読した漢文を原形に復するので、ノーミステーキの者が褒詞を得る。闘文闘詩が一月に....
「言語体の文章と浮雲」より 著者:幸田露伴
ましたのですが、リットンものや何ぞが多く輸入されていたような訳で、而して其が漢文
訳読体の文になったり、馬琴風の文の皮を被ったりして行われていたのでしたから、余り....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ず夫人不平の種子なりけるなり。 中将が千辛万苦して一ページを読み終わり、まさに
訳読にかからんとする所に、扉翻りて紅のリボンかけたる垂髪の――十五ばかりの少女入....
「雑沓」より 著者:宮本百合子
さいんだもん……」 砂利の敷いてあるところを寮の方へゆっくり歩いて来る途中で、
訳読を受持っている戸田がむこうから来た。何かの帳簿を二冊ばかり交織スーツの脇の下....
「海流」より 著者:宮本百合子
とは、成行きに関心を抱いていた学生達の感情に真面目な憂慮を生んだ。十時から三田の
訳読があることになっている宏子たちの組がB教室に入った時、その危惧と憤慨との混り....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
外も全く地下千尺の底の墓場の静寂に満たされている。その中にゆるゆると号外の内容を
訳読する女の、冷やかな、物淋しい声も、少しもこの世の響きを止めていない。陰森とし....
「詩劇「水仙と木魚」」より 著者:三好十郎
つ良くなってると先生がおっしゃって そしてラジオで教わるフランス語は 短い文章の
訳読に入りました 父と昇さんのお父さんの喧嘩は 相変らず続きながら やがて春が近....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
蕪村の用いたる古語には藤原時代のもあらん、北条足利時代のもあらん、あるいは漢書の
訳読に用いられたるすなわち漢語化せられたる古語も多からん。いずれにもせよ、今まで....
「十六、七のころ」より 著者:永井荷風
今覚えていない。この読本は英国人の教師が生徒の発音を正しくするために用いたので、
訳読には日本人の教師が別の書物を用いた。その中で記憶に残っているものは、マコーレ....