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証拠立て
「証拠立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
証拠立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
の海の※螺《ごうら》が吐くという蜃気が描き出す幻山のたぐいではあるまいか。幻山を
証拠立てるよう塩尻がたの尖から何やら煙のようなものの燻《くすぶ》り出るのが見える....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ては修正の必要を生ずるだろうけれども、それは直ちに徹底的に道徳そのものの変易性を
証拠立てるものにはならない。そう或る人々は考えるかも知れない。 それでも私は道....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
かとも思ったが、そこら一面にぐっしょり水にぬれていて、沼地から匍い上って来たのを
証拠立てていた。彼は蒲の穂がガサガサすれ合うのを聞くと急に恐しくなって夢中で駈け....
「食魔」より 著者:岡本かの子
分にバウンドをつけた。中でも食味については鼈四郎は、実際に食品を作って彼の造詣を
証拠立てた。偏屈人に対しては妙に心理洞察のカンしたりした。時には自分になまじい物....
「河明り」より 著者:岡本かの子
しろ現象界で確捕出来ず所詮、自然悠久の姿に於て見ようとする激しい意慾の果の作略を
証拠立てている。 だが、私は待て、と自分に云って考える。それ等の宿々の情景はみ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
して不平らしい口吻を洩らしたのは、要するに演劇の事情というものに就いて私の盲目を
証拠立てているのであった。 「素人の書いたものは演劇にならない。」 それが此の....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
ある。 博文館の雑誌経営が成功して、雑誌も亦ビジネスとして立派に存立し得る事が
証拠立てられてから、有らゆる出版業者は皆奮って雑誌を発行した。文人が活動し得る舞....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
瓦斯《ガス》中毒による心臓麻痺鋭だ。本当かしらん? 「面白い考えだが、それを
証拠立てることができるだろうか」 長谷戸検事は大いに心を動かしながら、しかも立....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
字知れたら艶原稿の続きものにでもなりさうな話。 これでS君の話の嘘でないことが
証拠立てられた。それと同時に、かのお筆という女のゆく末が知りたくなったが、何分に....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
これらのはやり唄の推移によってスイートソロから陽気な揶揄の諧調へ弾み上ったことが
証拠立てられた。このとき他の国の財政の慌てふためきをよそにフランスへは億に次ぐ億....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
幻影であったとしても、この窓に起こった現象だけは誰がなんといっても、僕は明らかに
証拠立てることの出来る奇怪の事実であった。現に僕は二度までも窓の戸をしめ、しかも....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
また、価値の高いものでさえあれば国際性を持つという意見が必ずしも正しくないことを
証拠立ててもいるのである。 さらに次のような例もある。すなわち我々は過去におい....
「穴」より 著者:岡本綺堂
発見した。それが最初にころげ込んだ穴であることは、片足の草履が落ちているのを見て
証拠立てられたが、そこに女のすがたは見えなかった。それからそれへと探しまわると、....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
字知れたら艶原稿の続きものにでもなりさうな話。 これでS君の話の嘘でないことが
証拠立てられた。それと同時に、かのお筆という女のゆく末が知りたくなったが、何分に....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
色の上に少しも矛盾撞着を生ぜしめなかったのは稀に見る例で、作者の頭脳の明澄透徹を
証拠立てる。殊に視力を失って単なる記憶に頼るほかなくなってからでも毫も混錯しない....