»
詈
「詈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
る――すると、その後ろから、猪熊《いのくま》の爺《おじ》はまた、指をふりふり、罵
詈《ばり》を浴びせかけた。
「おぬしは、今の話をほんとうだと思うか。あれは、みん....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
なかった。――おれはそう思うたら、今でも不思議な気がするくらい、ありとあらゆる罵
詈讒謗《ばりざんぼう》が、口を衝《つ》いて溢《あふ》れて来た。もっともおれの使っ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
れて行くクリストが、彼の家の戸口に立止って、暫く息を入れようとした時、無情にも罵
詈《ばり》を浴せかけた上で、散々｜打擲《ちょうちゃく》を加えさえした。その時負う....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
促して自分の小屋に帰って行った。佐藤の妻は素跣《すはだし》のまま仁右衛門の背に罵
詈《ばり》を浴せながら怒精《フューリー》のようについて来た。そして小屋の前に立ち....
「鎖工場」より 著者:大杉栄
の奴の棍棒も、三つや四つぐらいなら、平気で受けるほどになった。傍の奴等の嘲笑や罵
詈は、こっちから喜んで買ってやりたいほどになった。 けれども俺ひとり俺の鎖を解....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
っているが故に、そして氏の生得の高貴な性格を知っているが故に、その言葉の空しい罵
詈でないのを感じて私自身の卑陋を悲しまねばならなかった。氏が凡ての虚偽と堕落とに....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
顔つきをしていた。それが下りて行くと、妻はそとへも聴えるような甲高な声で、なお罵
詈罵倒を絶たなかった。 「あなたは色気狂いになったのですか？――性根が抜けたんで....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
。囚人が歌を歌う。看守がそれを叱る。というようなことがもとで唾の引っかけ合い、罵
詈雑言のあびせ合いから、ついに看守が抜刀する。竹竿を持って来て、そのさきにサーベ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、雨しょぼを踊れ、と怒鳴る。水の輪の拡がり、嵐の狂うごとく、聞くも堪えない讒謗罵
詈は雷のごとく哄と沸く。 鎌倉殿は、船中において嚇怒した。愛寵せる女優のために....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
月だね。」 「ほんになあ。」 じゃあま、あばあ、阿媽が、いま、（狐の睾丸）ぞと
詈ったのはそれである。 が、待て――蕈狩、松露取は闌の興に入った。 浪路は、....
「あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
は髭がある。眼鏡を掛けたのが二人と髭のあるのが一人いて、それが何時も私に向って罵
詈雑言を致します。いくら止めろと言っても止めませぬ。しかも受信機がなくてこれが聴....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
たことがなかったので何層倍もびっくりする反面、ただちに反発して『若造』のやり方を
詈りはじめもした。古来の抜きがたい習慣を無視してその法律一点張りの、呪われたる督....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
色面に顕れ、 「可いじゃアありません、可かあない、可かあない、」 と自ら我身を
詈るごとく、 「落すなんて、そんな間のあるわけはないんだからねえ、頼んだ人は生命....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ばこそ歩みも出め、こうして置くにしくことあらじ。人に物を思わせたる報酬はかくぞと
詈りて、下枝が細き小腕を後手に捻じ上げて、縛めんとなしければ、下枝は糸よりなお細....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
を分配するを常とす。そのとき一族兄弟の間に争論を起こし、哀泣の声たちまち変じて罵
詈の声となるの例、しばしば聞くところなり。かつ、人おのおのその父母の財産の分配を....