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詐称
「詐称〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詐称の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
歩の田畑山林あり。地震|海嘯《つなみ》の節大用ある地なり。これを無理に維持困難と
詐称して他の社へ合祀せしめしも、村民承知せず、結党して郡衙に訴うること止まず、つ....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
ない犯罪だね、結局の所殺人ではなし」と、警部は考えながら、「相続税の脱税と、身分
詐称かね、それから屍体遺棄――屍体遺棄といえるかなア、別荘の中へ置いたんだから」....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たという(『東国|通鑑《つがん》』五一)、当時高麗人日本を畏るるに乗じ、弥勒仏と
詐称した偽救世主が出た。その事極めて米国を怖るる昨今|大本教《おおもときょう》が....
「虹の橋」より 著者:久生十蘭
てきた。 取調べのない日は、あさひは一日じゅう壁に向って坐っていた。他人の名を
詐称している事実を告白しないかぎり、冤罪をいいとく方法はないわけだが、調べが捗れ....
「金狼」より 著者:久生十蘭
阪はおろか、北海道庁の警察部にも、久我千秋なんて特高刑事はいないそうですぜ。官名
詐称を承知でやってるてえのには、そこになにか相当のわけがあるのさ。……葵嬢、逆上....
「日記」より 著者:宮本百合子
だ。斯ういう場合のみでなく、人は自己の情慾を愛するが故に、その良人或は妻を愛すと
詐称する時がある。 五月二十九日 自分は仕事が出来ないから、何処へか山にでも行....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
再び名刺を渡しながら、「何事も隠さず云って頂きたい。そうでないと我々は貴君を氏名
詐称と、若しかすると、詐欺取材で告発しなければなりません」 田村氏は一度は青く....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
これは仏徒として正しい。乞食に生きた。それもまた同様に正しい。それだけでは聖道を
詐称することにはならない。行基の伝道に興奮して四民が業をすて家を出た。それは行基....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
も、いまだに量見からなくなっていない。
その印可に書いてある佐々木小次郎の名を
詐称って歩くと、かなり都合のよい時もある。無名の小さい道場とか、剣術ずきの町人な....
「鬼」より 著者:吉川英治
の福原主水が、女の意趣とか何とか、言語道断な沙汰で、同僚の者を暗殺した上、藩用を
詐称して、城下の町人から急場の金を借り、それを持って、今暁、津軽領から逐電してし....