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「詠ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

詠ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
ません。芭蕉《ばしょう》のごとく消極的な俳句を造るものでも李白のような放縦な詩を詠ずるものでもけっして閑人ではありません。普通の大臣豪族よりも、有意義な生活を送....
運命」より 著者:幸田露伴
し。魔王の如く、道人の如く、策士の如く、詩客の如く、実に袁※の所謂異僧なり。其の詠ずるところの雑詩の一に曰く、 志士は 苦節を守る、 達人は 玄言に滞らんや。 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
隊もなく、おくれる部隊もなかった。中にはめずらしい放吟の声さえ起こる。馬上で歌を詠ずるものもある。路傍の子供に菓子などを与えながら行くものもある。途中で一行にお....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
論ずるに値せぬ。 彼《か》の氏郷が自ら毒飼をされた事を知って、限りあればの歌を詠ずると、千利休が「降ると見ば積らぬさきに払へかし雪には折れぬ青柳《あをやぎ》の....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
、この差別を詩材の対象に置いて考えている。即ち例えば、俳句は主として自然の風物を詠ずる故に客観的で、和歌は恋愛等を歌う故に主観的だと言うのである。かの仏蘭西《フ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
を作った。彼の東湖の正気歌とか獄中作なども伝えられていたので、私も徒に花鳥風月を詠ずる時勢に非ずと思い、何か理窟ぽい議論めいた事のみを述べて、いよいよ以て変な詩....
曙覧の歌」より 著者:正岡子規
たり。 〔『日本』明治三十二年三月三十日〕 曙覧が客観的|景象《けいしょう》を詠ずるは、新材料を入れたることにおいて、新趣味を捉えしことにおいて、『万葉』より....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
には積極的なるもの多し。牡丹《ぼたん》は花の最も艶麗なるものなり。芭蕉集中牡丹を詠ずるもの一、二句に過ぎず。その句また 尾張より東武に下る時 牡丹|蘂《し....
妖怪学」より 著者:井上円了
、「灯心に丁字頭立てば旱なり」「鍋墨に火点ずれば雨晴るる」という。ある人の天気を詠ずる歌に、 夢見るは雨と日和の二つなり変らぬ時に見るはまれなり 鳥の声すみてか....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
る。『説文』には詠也とあって、言を永くするを一字にあらわせば詠である。さて同じく詠ずるのでも、そこに差があって、『詩経』の魏風の疏によると、楽器にあわせて詠ずる....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
こそはかへれ紫の庵 草庵に帰った沢庵は、一日の和楽をしみじみと反芻しつつ、こう詠ずるのであった。 三斎は沢庵より九つ年長であった。従って道の上では、勿論沢庵....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
れでその連想を人に与えるのには、ぜひとも各人たやすく連想の起こり得るようなものを詠ずる必要がある。 そこで誰にでもたやすく連想の起こり得るものは何かといえば、....