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試演
「試演〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
試演の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
て、せめてその時を芝居小屋の桟敷《さじき》の中に送って行こうとした。ある近代劇の
試演から岸本の知るように成った二三の俳優がその舞台に上る時であった。前後に関係の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
馬車に揺られながら鶏の鳴き声を聞いて行って松井田まで出たころに消防夫|梯子乗りの
試演にあった時は子供の夢を驚かした。上州を過ぎ、烏川をも渡った。四月の日の光はい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ら、室の中を歩いてゆかなければならなかった。 そういう稽古からつづいて、劇場の
試演へかけつけなければならなかった。昼食をする隙《すき》がないこともしばしばだっ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
られた。長い年月の間、たとい病気の時でさえ、一回の稽古《けいこ》をも一回の管弦楽
試演をも欠かしたことのない、この生真面目《きまじめ》な少年は、今やよからぬ口実を....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
だと思った。
二人はきわめて親しい間柄になって別れた。そして三時間後に、芝居の
試演の時、管弦楽団の席に開いてる小さな扉《とびら》から、マンハイムの※々《きき》....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
手たちの方については、ダヴィデの役に理想的な者を見出したとルーサンは言っていた。
試演が始まった。管弦楽団はフランス流に多少訓練が欠けてはいたが、最初の一回をかな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
一人で、芝居小屋の門番の息子《むすこ》が、禁ぜられていたのを破って、彼女を芝居の
試演に連れていった。二人は場席の奥の暗い所にはいり込んだ。薄暗い中に輝いてる舞台....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
ならないことに決心していたのだ。 併し彼が関西に根拠を置く実際上の必要から内演
試演は彼の地でやり本舞台はこっちで開かねばならぬ、気に入らなければ即座に中止改演....
「演劇への入口」より 著者:岸田国士
では、大蔵省が反対するというだけの理由で、研究的な、あるいは、報酬を当てにしない
試演程度の演劇にも、十割の税をかける。古典や優秀な現代劇の上演には国庫の補助を与....
「熱情の人」より 著者:久保栄
進展が、大劇場の普通興行に新劇系統の作品を包容する機運を作るに及んで、自由劇場は
試演劇団としての過去の形態を失うにいたったと観ることができよう。ただ創立当時の革....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
ると、今夜の雨はまだ音を立てて降っていました。 この成功に気乗りがして、来月の
試演には『先代萩』を上場するとか聞きましたが、どうなったか知りません。(大正八年四月、紐育にて)....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
衰微し、現今の劇壇は専《もっぱら》少壮文学者の西洋近代劇の翻訳|及《および》その
試演に忙殺せられ古き芝居につきては新聞記者のいはゆる劇評以外多く論ずるものなきに....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
坪内博士を会頭としたる文芸協会は、二月十七日の夜、芝公園の紅葉館において第一回の
試演を催す。土肥春曙、東儀鉄笛、水口薇陽ら出演。狂言は新作の「妹背山」と「孤城落....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
はルカ老人の役に扮し、最早大分稽古も積んで、もう少しで神楽坂の藁店の高等演芸館で
試演を催そうとしかけたのであった。その高等演芸館が今の牛込館になったのであるが、....