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「試金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

試金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鎖工場」より 著者:大杉栄
がある。俺達はあくまでも戦闘する。 戦闘は自我の能力の演習である。自我の権威の試金石である。俺達の圏内に、漸々になまけものを引寄せて、そいつらを戦士に化せしめ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
その範律に則って自己を生活しなければならぬ。努力は実に人を石から篩い分ける大事な試金石だ。動植物にあってはこの努力という生活活動は無意識的に、若しくは苦痛なる生....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
れるところまで至っていない。三宮事件はこの新政府にとって誠意と実力とを示す一つの試金石とも見られた。二月の九日になると、各国公使あての詫書が京都から届いた。それ....
読書法」より 著者:戸坂潤
題である。之こそ現代人の建設の課題であると共に、現下の国民にとっての文化的性能の試金石であると云ってもいい。この時現われた本書の意義は、私が改めて説明するまでも....
怪異考」より 著者:寺田寅彦
符合するようなことがありはしないかと想像される。 しかしこの仮説にとって重大な試金石となるものは、馬のこの種の放電に対する反応いかんである。すなわち人間にはな....
女の手帖」より 著者:宮本百合子
能成氏は文部大臣となって女子に全国の専門学校、大学を開放し得るであろうか、ここに試金石の一つがある。 大衆課税 去る十二日の夕餉のテーブルに、....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
るのを見るだろう。そういう意味で空間の問題は、唯物論の側から見て、哲学を批判する試金石として役立つだろう。之がこの問題の副次的な効用である。 空間の問題は云う....
黄銅時代の為」より 著者:宮本百合子
に許りではない。人間は、より高大な、啓発された生活へ自分の霊を育てる為の助力者、試金石、として、先ず最も自分に近く、最も自分の負うべき自明の責任の権化である配偶....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
―たとい不幸のどん底にあろうとも――まったく感じない者は、芸術家ではない。それが試金石である。真の偉大さが認められるのは、苦にも楽にも喜悦することのできる力にお....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
あらゆる国民と同様に)またごくまれにシェイクスピヤを取り入れたがっていた。それは試金石だった。彼らのうちには演戯上の二派があった。一方では、エミル・オージエの劇....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
たその他のものをも)――ただ不幸によってのみほんとうに判じ得るのである。不幸こそ試金石である。幾世紀をも通り越す人々、死よりもさらに強い人々は、ただ不幸のうちに....
哲学入門」より 著者:三木清
謬の問題は知識の根本問題であり、いかにして誤謬は存在するかの問題が認識論にとって試金石であるとさえいうことができる。デカルトに依ると、誤謬は二つの原因の協同から....
マルクス主義と唯物論」より 著者:三木清
するに最も苦しんだところの、したがってそれらのすべてに対してあらゆる機会において試金石であったところの「意識の問題」は、この現象を根本的に把握することによっての....
日記」より 著者:宮本百合子
してどの位の責任を持たなければならないのか、愛は事業である。人の心の奥底をためす試金石である。 私が彼を愛した。彼と結婚する。彼の内に不満を見出して苦しむ。が....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
初日を控えて、芸の苦心に肝胆を砕いていたのである。彼に取って、其処に可なり危険な試金石が横わっている。『あれ見よ、密夫の狂言とは、名ばかりで相も変らぬ藤十郎じゃ....