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詩吟
「詩吟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詩吟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
して、修学旅行で宿屋へでも泊る晩なぞには、それを得意になって披露《ひろう》する。
詩吟《しぎん》、薩摩琵琶《さつまびわ》、落語、講談、声色《こわいろ》、手品《てじ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
み破る千山万岳の煙」とか云う、詩をうたう声が起っていた。お蓮にはその剣舞は勿論、
詩吟も退屈なばかりだった。が、牧野は巻煙草へ火をつけながら、面白そうにそれを眺め....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
云う。丹波先生はやはり自分たちの級に英語を教えていたが、有名な運動好きで、兼ねて
詩吟《しぎん》が上手だと云う所から、英語そのものは嫌っていた柔剣道の選手などと云....
「或る女」より 著者:有島武郎
を自宅に招いて慰労の会食を催した。その席で、小柄《こがら》で白皙《はくせき》で、
詩吟の声の悲壮な、感情の熱烈なこの少壮従軍記者は始めて葉子を見たのだった。
葉....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
るにも毛布《けっと》も蒲団も無いので、一同は焚火を取囲み、付元気《つけげんき》に
詩吟するもあり、ズボンボ歌《うた》を唄《うた》うもあり。風上にいる者は雨の飛沫《....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
あまり酒は飲めない僕も、みんなの勢いに駆られて、多少の盃を重ねた。そして山田等の
詩吟につれて、みんなの驚きのうちに「宗次妙齢僅成童」などと吟じ出した。それで僕は....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
を鋏で切った。 「一将功成り、万卒倒る、か。」 兵タイの不平を小耳にした彼は、
詩吟の口調で、軽るく口ずさんだ。 柿本は、その軍医の手あてを受けた。そして、白....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
園から町にはいった。もうそのころは二人は黙っていなかった。郁治は低い声で、得意の
詩吟を始めた。心の感激の余波がそれにも残って聞かれる。別れの道の角に来ても、かれ....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
っても、すもうをとった。りっぱな土俵も、ちゃんとつくった。 夕食後には、唱歌、
詩吟も流行した。帰化人が、英語の歌、水夫が錨をあげるときに合唱する歌などを教え、....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
わね。」 「それぞれに何かかくし芸までやるのには、わしもおどろいたよ。」 「あの
詩吟のうまい方、何という方でしたっけ。あの時はじめていらっした方ですけれど。……....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
みんなは急にしんとなって、片唾をのんだ。 「猛虎一声、山月高し――」 朗々たる
詩吟の声が流れた。ところが、
詩吟はそれっきりで、そのあと先生は、ひょいと畳に両手....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
堂に全員を集めて度々激越な演説をされた。威厳と気魄のある名校長であった。蒙古来の
詩吟が得意であった。人格の権威というものを私はこの校長によって教えられた。私は木....
「勝太郎」より 著者:兼常清佐
番漁した優勝旗」という大漁節もあまり聞かないし、「橋の欄干に佇むルンペン」という
詩吟もあまりいい気持はしない。『佐渡おけさ』や『追分節』は大変お上品で無難だかし....
「死神」より 著者:岡崎雪声
れるといったような事がある、もしこの場合に、謡曲の好きな人なら、それを唸るとか、
詩吟を口吟むとか、清元をやるとか、何か気を紛らして、そんな満らぬ考を打消すと、結....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、観衆が笑いこけこけ喝采する。手をたたく。それをいいことにして、 「ええ、今度は
詩吟入り、おなじく安来節。」と日の丸の軍扇が胸を叩く。 「よし来た。コラサッと。....