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「詩味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

詩味の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
寝込むような功徳である。 二十世紀に睡眠が必要ならば、二十世紀にこの出世間的の詩味は大切である。惜しい事に今の詩を作る人も、詩を読む人もみんな、西洋人にかぶれ....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
に映じた。余はこの一椀の雑煮に自家頭上を照らすある意義を認めながら、しかも何等の詩味をも感ぜずに、小さな餅の片《きれ》を平凡にかつ一口に、ぐいと食ってしまった。....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
せば流される。意地を通せば窮屈だ」「二十世紀に睡眠が必要ならば二十世紀に出世間的詩味は大切である」そういう人生と芸術への態度をもっている一画工が、旅先で、一美人....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
も閉塞《へいそく》することの方が多かった。ローマは汚水の溝渠《こうきょ》に多少の詩味を与えてゼモニエ(階段)と呼んでいたが、パリーはそれを侮辱してトルー・プュネ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
垂らしているところは、何かもの云いたげであった。 そして、そのいいしれぬ神秘と詩味は、蒼味の強い童話本の挿画のようであったが、今朝の惨劇に時を同じくして起った....
山の湯の旅」より 著者:上村松園
立ち罩めて、早晨の日の光が射しとおしてくる景色などは、言葉では言い切れない大きな詩味を投げかけてきます。ことにその木の間からは、六月だというのに、遠い山の雪の白....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
哉《かな》 「閣」というので、相応眺望の広い、見晴しの座敷を思わせる。情感深く、詩味に溢《あふ》れた名句である。 これきりに径《こみち》尽きたり芹《せり》の中 ....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
易に断言する事|能《あた》はざるものあり。春信の板画の幽婉《ゆうえん》高雅にして詩味に富めるはむしろ科学の閑却に基《もとづ》けるものの如し。春信の男女は単にその....
西瓜」より 著者:永井荷風
○ そもそもわたくしは索居独棲《さくきょどくせい》の言いがたき詩味を那辺《なへん》より学び来《きた》ったのであろう。わたくしはこれを十九世紀の....
三国志」より 著者:吉川英治
燥なものになろう。 故に、三国志は、強いて簡略にしたり抄訳したものでは、大事な詩味も逸してしまうし、もっと重要な人の胸底を搏つものを失くしてしまうおそれがある....